by Victoria Pickering

2022年6月8日、ロシアの大手ラジオ局がハッキングされ、ウクライナの国歌とロシアのロックバンドがリリースした反戦をテーマとする歌を放送し始めました。ラジオ内で国歌が流れた際のムービーも公開されており、一連のロシアメディアをターゲットとした攻撃の一環だとされています。

A major Russian radio station was hacked and started broadcasting Ukraine's national anthem and anti-war songs

https://www.msn.com/en-us/news/world/a-major-russian-radio-station-was-hacked-and-started-broadcasting-ukraine-s-national-anthem-and-anti-war-songs/ar-AAYdd9n

ロシアの主要なラジオ局・KommersantFMの編集長であるアレクセイ・ヴォロビョフ氏は、2022年6月8日にオンラインストリームがハッキングされたことを国営の通信社に報告しました。ヴォロビョフ氏は「私たちは本当にハッキングされました。現在は技術専門家によって、この攻撃の原因を突き止めています」と述べています。

世界中のマスメディアを監視・報告するBBCモニタリングの記者であるフランシス・スカー氏によると、昼食後に流れるニュース速報が突如遮断され、ウクライナ軍の行進曲「Oi u luzi chervona kalyna(ああ、草原の赤きガマズミよ)」が流れ出したとのこと。続けて、ウクライナの国歌や、ロシアのロックバンドであるNogu Sveló!の反戦を訴える楽曲・「Назад, Россия!(ロシア、戻って!)」などが流れたと報じられています。





アメリカのビジネス・技術系ニュースサイトであるBusiness Insiderは、ウクライナの国歌がKommersantFMで演奏されているムービーを公開しました。

Гимн Украины в эфире «Коммерсантъ FM» - YouTube

同様のロシアメディアへの攻撃は何度か報道されており、2022年3月中旬にはロシア国営放送の大手放送局であるChannel Oneの出演者が「彼らはあなたに嘘をついている」とメッセージを叫んだことが報じられたり、5月にはロシアのテレビ放送がハッキングされて全番組名が「あなたの手はウクライナの子どもの血で汚れている」と表示されたり、またロシアのサンクトペテルブルクの3つのラジオ局でウクライナ国歌と反戦の歌を2時間以上演奏したりと、メディアを用いたメッセージが繰り返し行われています。