〈令和4年6月の需給展望 鶏肉〉国産生鮮はモモ・ムネともにもちあい、手羽先は品薄懸念も、輸入品は一定の輸入量を確保、在庫水準を維持し相場は安定
5月の鶏肉需給は、さまざまな食材、物価高騰が続くなか、価格優位性が高く、国産品比率も高く安定供給が見込める鶏肉は量販店を中心に安定需要に支えられた。
例年であれば、GWの行楽需要を終え、生鮮モモ需要が弱まり、気温の高まりに合わせてムネや手羽先に需要がシフトしていく。しかし、輸入品の高騰・品薄を警戒する動き、輸入食肉の高騰・品薄により国産生鮮モモ需要が高まったようで、相場は強もちあいとなった。
ムネやササミは加工筋を中心に引き合いが強く、手羽先も需要が高まっており、手羽元に関してもそれなりの引き合いが見られた。副産物は工場での人手不足から生産量が限られるだけに、今後需給バランスへの注視が必要だ。
輸入品は、世界的な生産・輸送コストの上昇を受け、仲間相場は500円を伺う展開が続く。さらなる高騰も懸念されたが、それなりの国内在庫水準を維持しており、末端需要が決して好調ではないこともあり、高止まりとなっている。現地オファーは強気な姿勢を崩さないが、ブラジルでは生産量が増加しているとの話も聞かれ、日本の国内在庫とバランスした輸入量に期待したい。
5月の平均相場は、日経加重平均でモモが624円(前月622円)、ムネが321円(315円)と正肉合計945円、前月比8円高となった。前年同月比ではモモが34円安、ムネは18円高となり、正肉合計では16円安となった。
〈供給見通し〉
日本食鳥協会がまとめているブロイラーの生産・処理動向調査によると、6月の生体処理羽数は前年同月比0.7%増、処理重量は1.0%減と予測している。羽数は微増を維持するが、重量は4月に前年並となって以降、5〜6月は昨対割れ見通しとなっている。
主要産地の北海道・東北地区の羽数は0.9%減、重量は2.5%減とともに減少を見込む。南九州地区では羽数こそ1.7%減を見込むが、重量は前年並と予測している。このほか、北九州地区では、羽数が0.1%増、重量は0.1%減、近畿・中国・四国地区では羽数が1.5%増、重量は0.5%減と予測している。7月も引き続き重量は昨対割れ見通しで、羽数もわずかに下回る予測となっている。
農畜産業振興機構の鶏肉需給予測によれば、6月の国産生産量は14.4万tと前年同月比4.0%増と予測している。5月も4.2%増の14.4万tと予測しており、安定した14万t台の生産を維持している。輸入品は国内の在庫減少が見込まれたことから、6月の輸入量は前年同月を大きく上回ると予測され、13.1%増の4.8万tと予測している。
〈需要見通し〉
国産品はモモからムネへの需要シフトが加速していく。しかし各種食肉、食材が高騰していく中、一定のモモ需要も確保されるだろう。ムネ・ササミ需要は変わらず、加工筋が中心。ムネは年間を通して高止まり傾向にあり、今後は輸入品の動向にもよるが、高値水準を維持する。産地では増体が良いとは言えないものの、例年並みの重量を確保している。
引き続きの人手不足により、副産物の生産状況は工場によって異なる。夏季需要の高い手羽先などは、タイミングによっては品薄も懸念される。凍結玉も潤沢ではないようだ。輸入品は、一時は輸入量減少による国内在庫急減が懸念されたが、一定の輸入量が維持され、国内在庫も一定水準を維持している。在庫水準に大きな変動がない限りは、仲間相場はもちあいでの推移が見込まれる。
〈価格見通し〉
国産生鮮モモは例年、ムネへのシフトが進みモモ相場は落ち着きを見せるが、ことしは弱もちあいと見込まれる。日経加重平均ではモモが620円前後、ムネは320円前後と見込まれる。農水省市況ではモモが630円前後、ムネは330円前後と予測する。
〈畜産日報2022年6月6日付〉
例年であれば、GWの行楽需要を終え、生鮮モモ需要が弱まり、気温の高まりに合わせてムネや手羽先に需要がシフトしていく。しかし、輸入品の高騰・品薄を警戒する動き、輸入食肉の高騰・品薄により国産生鮮モモ需要が高まったようで、相場は強もちあいとなった。
輸入品は、世界的な生産・輸送コストの上昇を受け、仲間相場は500円を伺う展開が続く。さらなる高騰も懸念されたが、それなりの国内在庫水準を維持しており、末端需要が決して好調ではないこともあり、高止まりとなっている。現地オファーは強気な姿勢を崩さないが、ブラジルでは生産量が増加しているとの話も聞かれ、日本の国内在庫とバランスした輸入量に期待したい。
5月の平均相場は、日経加重平均でモモが624円(前月622円)、ムネが321円(315円)と正肉合計945円、前月比8円高となった。前年同月比ではモモが34円安、ムネは18円高となり、正肉合計では16円安となった。
〈供給見通し〉
日本食鳥協会がまとめているブロイラーの生産・処理動向調査によると、6月の生体処理羽数は前年同月比0.7%増、処理重量は1.0%減と予測している。羽数は微増を維持するが、重量は4月に前年並となって以降、5〜6月は昨対割れ見通しとなっている。
主要産地の北海道・東北地区の羽数は0.9%減、重量は2.5%減とともに減少を見込む。南九州地区では羽数こそ1.7%減を見込むが、重量は前年並と予測している。このほか、北九州地区では、羽数が0.1%増、重量は0.1%減、近畿・中国・四国地区では羽数が1.5%増、重量は0.5%減と予測している。7月も引き続き重量は昨対割れ見通しで、羽数もわずかに下回る予測となっている。
農畜産業振興機構の鶏肉需給予測によれば、6月の国産生産量は14.4万tと前年同月比4.0%増と予測している。5月も4.2%増の14.4万tと予測しており、安定した14万t台の生産を維持している。輸入品は国内の在庫減少が見込まれたことから、6月の輸入量は前年同月を大きく上回ると予測され、13.1%増の4.8万tと予測している。
〈需要見通し〉
国産品はモモからムネへの需要シフトが加速していく。しかし各種食肉、食材が高騰していく中、一定のモモ需要も確保されるだろう。ムネ・ササミ需要は変わらず、加工筋が中心。ムネは年間を通して高止まり傾向にあり、今後は輸入品の動向にもよるが、高値水準を維持する。産地では増体が良いとは言えないものの、例年並みの重量を確保している。
引き続きの人手不足により、副産物の生産状況は工場によって異なる。夏季需要の高い手羽先などは、タイミングによっては品薄も懸念される。凍結玉も潤沢ではないようだ。輸入品は、一時は輸入量減少による国内在庫急減が懸念されたが、一定の輸入量が維持され、国内在庫も一定水準を維持している。在庫水準に大きな変動がない限りは、仲間相場はもちあいでの推移が見込まれる。
〈価格見通し〉
国産生鮮モモは例年、ムネへのシフトが進みモモ相場は落ち着きを見せるが、ことしは弱もちあいと見込まれる。日経加重平均ではモモが620円前後、ムネは320円前後と見込まれる。農水省市況ではモモが630円前後、ムネは330円前後と予測する。
〈畜産日報2022年6月6日付〉