新しい働き方のカタチ「ワーケーション」 観光都市・日光で大きな動き
「ワーケーション」について栃木県内で新しい動きが出てきたという話題です。ニュースでもたびたび出てきますテレワークを活用して働きながら休暇を楽しむという過ごし方。最近よく聞く言葉ですが観光庁の調査では、全国の普及率は昨年度で4.3%に留まっています。しかし、新しい働き方のひとつとして関心を寄せる企業や自治体が増えています。実は県内でも大きなプロジェクトが2つ同時に進行しています。場所は県内有数の観光地、日光市です。
5月、日光市役所の会議室。何の話し合いをしているかというと新しい働き方を推進する協議会の設立準備です。
協議会設立のきっかけのひとつは「新型コロナ」でした。感染防止のための外出自粛は、観光産業への依存が大きい日光に大きな打撃を与えました。さらに全国的な人口減少、SDG’Sへの対応など課題がたくさん出てきて、地元企業の支援が急務となったのです。そこで「ワ―ケーションはどうか」となったわけです。
ワーケーションにはテレワークなど通信環境の整備が欠かせないとして日光市はNTT東日本と事務局を作って作業に当たっています。
協議会はことし8月に発足予定で、金融機関や観光、宿泊業者などさまざまな団体が参加して地域の活性化にチャレンジします。そしてもうひとつの動きの中心にいるのは航空会社JALです。5月19日、日光市で初めての会合を開きました。JALは他社に先駆けて2017年に社内制度としてワーケーションを導入。全社員の25%がすでに取得した経験があります。そこに来てこちらも「コロナ」。インバウンドの激減などたいへんな影響を受けたことから新しい働き方を確立し地域課題の解決を目指そうと今年2月に全国の官民と一体で「ワークスタイル研究会」を立ち上げました。
初会合に選ばれたのが日光。空港のない栃木でなぜ?と思うかもしれませんが首都圏からアクセスがよい環境などワーケーションにはうってつけだというのです。
2つの動きは偶然この時期に重なりました。私は古い人間で観光しながら仕事もする…効率上がるのかな?と思ってしまうのですがワ―ケーションというのは「蜜を避ける」「テレワーク」などウィズコロナへの対応、さらにこれがきっかけとなって二拠点生活、移住ということにもつながっていく。企業と、行政と、何より働く人が共に考えているというのも強く感じました。
日光市の動きは県内に広めるいい機会であると私は思いました。
今回は日光市での動きをご紹介しましたが関係者はこれをいっときの出来事で終わらせないと動き始めました。2日にお伝えします。県内の観光振興、栃木の活性化につながるでしょうか。