「いつの時代も、世の中を大きく変えていくのは若い世代」~日本維新の会・丸山穂高議員×元経産官僚・宇佐美典也対談~ - BLOGOS編集部
※この記事は2013年04月12日にBLOGOSで公開されたものです
安倍政権を誕生させた昨年末の衆議院総選挙で、自民党の圧勝劇とともに目立ったのが、橋下徹・大阪市長が率いる日本維新の会の躍進だった。その維新の会の候補者として大阪の選挙区から出馬し、28歳という若さで当選を果たした丸山穂高氏は、経産省出身の新人議員だ。一方、同じく経産省に官僚として勤務した後に30歳で独立した宇佐美典也氏。二人の若手官僚OBが、現在の霞ヶ関の課題や政治のあるべき姿について語り合った。【取材・永田正行/構成・亀松太郎(BLOGOS編集部)】目次
1.二人の元若手官僚が語る霞ヶ関の問題点
2.「地方自治制度は事実上、破綻している」
「30歳までに政治家になろう」と決めていた
宇佐美典也氏(以下、宇佐美):経済産業省の元同僚ということで、まずはお久しぶりです。丸山議員が経産省に入ってきたときは、「凄い生意気な奴が入ってきた」と噂になったことが思い出されます(笑)。とはいえ丸山議員は早々と3年で役所を辞めて松下政経塾に行ってしまいましたが、なぜ官僚を辞めて、政治家になろうと思ったんですか。丸山穂高衆議院議員(以下、丸山):後輩ということで役所時代のように”丸山君”でお願いします(笑)。もともと小さいころから、政治家を目指していたんです。小学校の卒業文集に「政治家になりたい」と書いていたくらいです。関西出身なので、幼いときに阪神大震災を経験しているのですが、父に連れられて現地にボランティアに行ったときに、周囲の人たちの政治や行政に対する不満を聞いたのが、政治家という職業に興味を持ったきっかけです。
役人ではなく政治家になりたいというのは、今の政治や行政の「仕組み」自体を変えなければならない、変えたいと考えているからです。これは行政の役割ではなく政治の役割です。もともと政治への志があったので、経産省に入る前の学生時代には政治家の秘書をやっていました。ところが議員の先生のもとで役所の人たちと話していると、いろいろな物事のスイッチを最初に押しているのは役所が多いということに気付いたんです。
そこで、いずれ政治家を目指すにしても、まずは行政の現場や政策決定のプロセスやノウハウを知らないとどうにもならないと思い、まず新卒で役所に入ることを考えました。経産省を選んだのは、私のような変わった者でも採っていただけるということだったことと、作家や起業家そして政治家など外部で活躍するOBも多い中で、途中で役所を辞めて外へ出ることについてもそれほど抵抗感がない空気があったからです。
もともと11歳で政治家を志して人生を考えたときに、改革のために日本に残された時間はそう長くない一方で、まだまだ未熟な自分を成長させる必要があることから、10代20代の間に自分を磨いて「30歳までに政治家になろう」と決めていました。だから政治経済の中心である東京への進学を決めましたし、大学時代は議員秘書もやらせていただきました。議員秘書や役所時代での仕事も含めて気が付いた、役所には出来ない政治の「仕組み」自体を変える必要があること、そして政治家になるには自らの人間性を高めるとともに選挙や政局にも強くなければいけないということで、「石の上にも3年」の3年を一区切りに役所を出て、松下政経塾の門を叩くことにしました。
宇佐美:松下政経塾では、どんなことをしていたのですか。
丸山:本当に様々なことをしていましたね。政経塾の一日は、朝6時に起きてラジオ体操をすることから始まります。その後、塾の構内を掃除して、ランニングをして、朝食となります。さらに朝礼があって、塾是、塾訓と呼ばれる政経塾の教えを皆で唱和します。その後は、講義があるときもあれば、剣道や茶道があるときもあれば、現場を見るために外に出て行くこともありました。
政経塾は「現地・現場」を重視しているので、基本的に常勤の講師がいません。塾生が「こういう人の話を聞きたい」「ここに行ってみたい」と提案する形で決まっていきます。今は4年制ですが、私のとき3年制でした。前半の期間はそういった形で寮生活を送り、同期で切磋琢磨する。後半は「社会保障」や「教育」などそれぞれの自分のテーマにしたがって行動する。私の場合は「議会制度改革」と「経済活性化」がテーマでした。
政経塾でいろいろな人に会う中で、自分の志も出馬の決意も固まりました。政経塾は志と人間を磨く道場です。塾生は職を辞めて退路を絶って来ているのですが、その出身は地方公務員やマスコミ、民間企業、金融機関など様々でした。しかし、みんな熱い志をもっていましたし、ロールモデルになるような先輩もいたので、大変勉強になりました。
宇佐美:政治家になるには官僚を経験しておいたほうがいいということで経産省に入ったということですが、実際に役所に入ってみて、どこか変だと思うことはありましたか。
丸山:宇佐美さんは、どうでしたか(笑)。
宇佐美:上手く話題を反らしましたね(笑)。僕が感じたのは、責任の所在の曖昧さの問題です。たとえば、100億円規模のプロジェクトともなると、民間企業ならば担当者はサラリーマン人生を賭けるくらいの意気込みで取り組むと思うのですが、役所の場合は予算を立てたら終わりで、いざ実行段階になると役人がコロコロ変わってしまう。プロジェクトが結局、失敗に終わっても、責任をうやむやにして誤摩化してしまう。ひどい場合「ある法律を通すから、この業界にお金を落として納得してもらう」というように、プロジェクト予算が政治上の調整の取引に使われて、バラマキ自体が目的になってしまうこともある。
丸山:その通りで、役所は誰も責任をとらない構造になっています。先輩から引き継いだ業務の連続性を重視して、担当者が何代も替わりながらやっているので、誰の責任か分かりにくい。そういうことは、確かにありますね。
私の場合、経産省で最初に配属された大臣官房総務課で、経済成長戦略の取りまとめをするために過去の先例をチェックしたことがあるのですが、「10年前から何も変わってない」ということに気づき、びっくりしました。各部署ではPDCAを回しているようで、結局、毎年同じことを繰り返している。
宇佐美:政策を決めるルートも、何十年も前から変わっていませんよね。それぞれの課に、お得意先の企業や大学がぴったりくっついている。政策を立てるとなると、担当者が大企業の官庁対応者を呼びつけるか大学の先生のところに訪ねて行って、「こんな予算があるんですけど、どうやって使うべきでしょうか」と相談する。その企業や大学の顔ぶれは10年たってもほとんど変わらず、既得権益を温存するような仕組みになっている。
丸山:そうですよね。役所のシステムとして、継続すること、先例があることについては素晴らしい対応をすることが出来ます。しかし役所は保守的な部分も多く、新しく何かを変えなければいけないというときに弱い組織です。
それは、「人」ではなく「仕組み」が問題なんですね。もし役所の外へ出た人が、外で新しいアイデアを吸い込んできたあと、再び役所に帰ってこられるのであれば、そして、そういう人材も上の役職に就くことができる仕組みになれば役所は大きく変わると思うのですが、なかなか変われないですね。
宇佐美:そのような「役所の仕組みを変えるべき」という議論は昔からある、ともいえます。問題は「誰が、どうすれば、仕組みを変えられるのか」だと思いますが、その点についてはどう考えていますか。
丸山:役所の組織論として一番大きいのは、採用や昇進などの「人事」だと思います。経産省で職員を採用すれば、基本的にずっと経産省で働くということになりますが、そうなると、どうしても経産省を中心にした考え方になってしまい、国全体をどう良くしていくかという視点が弱くなりがちです。
宇佐美:役人は省益をあまり背負わないようにするべきだということですか。
丸山:いや、そうではなくて、省益を「背負うとき」と「背負わないとき」の両方があっていいのではないか、ということです。もっと役所の外へ出る仕組みや、役所の外から客観的に見る仕組みを作っていくのがいいと思います。たとえば、10年ぐらい外へ行った人が再び役所に戻ってくるとか、まったく役所で働いたことのない人が中に入るとかですね。
宇佐美:人事の問題は、さきほど話した「責任論」とも関係していると思います。役所は基本的に、入ったら終身雇用で、そこでずっとやっていくのが前提になっている。そうなると、短期間の人事ローテーションが必要になり、各プロジェクトに対して、誰も最後まで責任をもたないということになる。
もちろん俯瞰的にものを見る力や組織を動かすノウハウなど人事ローテーションを続けるからこそ育つスキルもあると思うのですが、事業に関しては一つの分野や事業にコミットしなければ必要な能力や責任感は育ちませんよね。従来の人事制度には当てはまりにくいけど、たとえば5年の期間雇用で、「この人はこのプロジェクトに責任をもつ」ということを明確にするやり方をもっと増やしてもいいと思うんですよね。そういう人は、組織に縛られずにやるべきことをやる、と。
丸山:そうですね。役所には優秀な人がいっぱいいるのに、それを生かしきれていない。やはり「人」ではなく「仕組み」に問題があるのだと思います。
宇佐美:そういえば丸山君が大臣官房総務課にいたときに衝撃的だった事件があります。丸山君が所属していた官房総務課はそれぞれの部局に仕事を割り振るのですが、複数の部局から「それはうちの担当ではない」と断られたときに、丸山君が先輩の職員に向かって「なんなんだ、あんたは! 局の利益ばかり考えていて、全然、全体のことを考えていないじゃないか!」と怒鳴ったということがありました(笑)
丸山:そんなことがありましたか……。すみません、失礼しました。若かったですね(苦笑)
宇佐美:でも、丸山君が怒った感覚もあながち間違いとは言い切れないと思います。役割分担を明確にして仕事を増やさないというのは、役所内の原理としては正しいのですが、それを貫きすぎると全体を見失ってしまうという問題がある。
丸山:宇佐美さんは経産省を出て、今は前とは違う景色を見ていると思うのですが、どうですか。
宇佐美:役所を出てみて痛感するのは、「役所って、民間とは違う原理で動いているんだな」ということですね。民間で、少なくとも私のようなスタートアップの段階では、人に説明して納得を求めるよりも「俺がこうすると決めたから、こうするんだ」という感じでまず行動することが大事なのですが、役所はそうではない。AさんとBさんがいたら、それぞれの言い分をじっくり聞いたうえで熟慮して動き出し、双方がWin-Winか妥協できる仕組みを考えようとする。このスタンスとスピード感の違いは慣れるのに苦労しました。
丸山:民間の場合、プロジェクトが失敗したときに損害を被るのは自分自身、つまり自己責任だから、その分、自分でどんどん決めていくことができるのですね。でも、役所は国民から集めた税金や付託された権利に基づいて行政を進めているのでそういうわけにはいきません。新しいことを決めるのは、国民から直接選ばれた政治家の役割です。その点、今の政治は不甲斐ない。役所と同じように、政治も「足して2で割る」ということをしていたらダメです。もっとエッジの効いた、変える決断の出来る政治家がどんどん出てこないといけないと思います。
今、安倍さんの支持率が高いのも、TPPにしても教育にしても、きちんと方向性を打ち出して、どんどん前へ進めていこうという姿勢が評価されているからでしょう。役所だったら「調整できないだろう」とあきらめてしまうことをやっていくのが政治の役割なのであって、維新の会の橋下代表も、まさしくそういうところが支持されているのだと思います。
宇佐美:丸山君も、そういう橋下さんのリーダーシップにひかれているということですか。
丸山:それもありますが、もう一つは、地元の大阪でいろんな活動をしていると、東京に比べて「ほんまにこのままやったらアカン」と思うことが多いのですね。大阪は、梅田や難波など一部の街を除いて、人が減ってシャッター街みたいになってしまっている。関西空港もうまくやれば、もっとポテンシャルを生かせるのに、うまくいっていない。
東京へ一極集中するのではなく、大阪が成長発展のためのダブルエンジンの一つになれるのならば、それは大阪のためになるだけでなく、日本全体のためにもなるはずです。その意味で、私としては、橋下さんが一番言っていて維新の会の根本方針である「統治構造を変えたい」という部分と「大阪を元気にしたい」という部分が、自分の元々の志と一致しているし、これらをライフワークとしてやっていきたいということですね。
「現在の地方自治制度は事実上、破綻している」
宇佐美:独立してから携わっている仕事の関係で、地方に行く機会が増えているのですが、「地方自治制度は事実上、破綻しているな」と感じています。ほとんどの地方自治体は自主財源では全然予算が足りず、国から配分される地方交付税交付金無しでは運営不可能になっている。その依存度が高ければ高いほど、国に対して面と向かってものが言えなくなってしまいます。全然「自治」になってないですよね。丸山:経産省時代に原子力安全・保安院にいたとき、規制改革関連で「地方に移管できるものは移管しよう」という話がありましたが、地方の声を聞いてみたら、「やめてくれ、地方にまかせないでくれ」と言うのです。なぜかと聞くと、「移管されても責任がもてないし、地方には専門性をもった人材も足りない」と言われたことがありました。
宇佐美:私も同じような経験をしました。担当している分野で地方自治体に権限委譲したところ、「どうやって運用すればいいんですか?」という電話がひっきりなしにかかってくるという状態でした。それを自由に決めていい、という規制緩和だったのに。
丸山:結局、国のほうである程度の基準を作って、それをそのまま地方が使っているという状態ですね。私もかつては「これではまずい」と思っていました。でも実は、最近はちょっと考え方が変わってきて「それはそれでいいかな」と考えるようになっています。全国一律に権限委譲しようとするのは現実的には厳しいので、大阪みたいに「自分でやりたい」と言い出したところがあるのであれば、その意向を実現できるようにしておくことが大事だと思っています。
それぞれの地域が、どうありたいかということを自分で考え始めたときに、本当の意味での「分権」が始まります。逆に、「国が一律で権限を渡すから、あとはよろしく」という感じだと、私や宇佐美さんが経験したような「地方分権はやめてくれ」ということになってしまう。大阪のように、地方が自分から「変えたい」と国に言ってきたときに、変えられるように制度設計しておくのが大事だと思います。
宇佐美:ある地方は「国に関与してもらいたくない」と言っているのに、別の地方は「国に関与してほしい」と言っているというときに、全国一律ではなくていいと国が舵を切るのは、結構、劇的な転換ですよね。
丸山:理想は「地方ができることは地方でやる」という状態で、そのほうが人材をもっと効率的に活用できると思いますね。逆に、国は、安全保障とか、外交とか、金融政策とかに特化して、そちらに人材を集中させていくのがいいのだと思います。
宇佐美:実際中央官庁は自分達が持っている予算や権力が大きすぎて対応しきれていない状況です。2~3年ごとに担当部署が変わるいわゆる「ところてん人事」の影響もあって今の役人の多くは、担当している分野について中途半端な知識しか持っていません。それでも、何とか事務処理能力とカンの良さでカバーして問題を先送りするスキームを作り続け、自分の在任中は担当分野で大きな問題が起きないように乗り切るということを続けている。それは担当している役人にとっても不本意なことです。政治がそういう慣習を変える起爆剤になってくれるといいですけどね。
丸山:大阪としては「権利だけくれ」というのではなく、それに併せて絶対に生じる「義務」のことも本気で考えなければ思っています。よくあるのは、規制を緩和した後で何か事故が起きると、「なぜ、こんな規制を緩和したんだ!」と批判されることです。役所はそう言われるのが怖いからどんどん規制を作る、という悪循環が生じています。だけど、規制を緩和する限りはリスクもあるわけです。そのことを、地方も、民間企業も、もっと言えば、国民一人一人も自覚しないといけないのだと思います。
宇佐美:たとえば、地方のシャッター商店街の問題について、これまでは、国が予算をつけて活性化しようとしてきましたが、それは一過性の延命策にすぎない。一時的に商店街の人が潤うだけで、本当の問題にアプローチしているわけではない。
丸山:お金だけ配分してもダメだということですね。この場合重要なのは、「人」です。いろいろな商店街を訪問してお話を伺ってきましたが、その場所から問題意識をもって立ち上がった人がいるかどうかという点が、活性化がうまく行くかどうかのキーになっている。そういう人がいないところに、いくら国や地方がお金をつけても結局うまく回らないのです。
宇佐美:「中心市街地活性化」なんて悲惨です。たとえば、「A市の中心市街地が衰退してシャッター街化しているから、活性化せよ」ということで予算をつけるのですが、実態を見ると、A市の人たちは、車や新幹線で近くの他の県のB市に行って消費しているだけの話です。最近だともうネットで買い物はすんでしまう。テクノロジーに併せて生活が変わっただけの話で、そういう状況で多くの市町村には、もう「中心市街地」に特別な存意義なんてないんですよ。単にいくつかの商店が残っているだけです。それを時計の針を戻して、「昔みたいにA市の商店街を活性化しなければならない」というのは実態に即していません。そういう固定観念にとらわれて、大事な大事な税金を投入することは辞めなければいけない。それでも今までの国のお金の流れや都道府県の枠組みを政治が引きずると、そうせざるをえない。
丸山:その通りですね。さらにもう一つ、「仕組み」や「枠組み」という点で政治に関して言えば、選挙制度の問題があります。国会議員は「全国民の代表」であるのが大原則ですが、一方で、その選挙区、その「地域の代表」でもあるのです。これは、現行の選挙制度上のまぎれもない事実です。そうすると、やっぱり自分の選挙区のことも考えます。ほかの地区と比べてなぜうちはここがダメなのか、と考えますし、声を聞くのはどうしてもその地区の人が多くなります。
もし、そこに問題があるとすれば、これも政治家や候補者といった人ではなく選挙の「仕組み」、選挙制度を変えないといけないということになりますが、私は、それぞれの地区の代表がいるという選挙制度があってもいいと思っています。ただ、それ以上に衆議院と参議院が似ていることに問題があると考えています。たとえば、橋下さんが提案的に言っていることですが、参議院を地域の代表にするのならば、逆に衆議院は地域の代表になりにくいような制度に変えてしまえばいい、と。
宇佐美:アメリカなんかだと上院と下院の役割分担がはっきりしていますが、日本の衆議院と参議院はそうではないですね。しかも、国会での議決のときに、各議員の投票が政党の党議拘束で縛られて、衆議院も参議院も同じような投票結果になってしまうので、両院が存在する意味が本当にあるのか、ということになる。
宇佐美:ここまで、丸山君の官僚時代の経験や、議員になってどんなことに取り組んでいきたいかということをうかがってきましたが、実際に野党の新人議員として、どの程度の影響力が持てると思っていますか?
丸山:確かに、与党と野党では違います。まず、役所の情報が入ってくる速さと量が全然違います。情報は与党には真っ先に入りますし、その量も、例えば出てくる資料でいえば、野党は与党の何十分の一くらいのレベルです。また、今の衆議院では自民党と公明党だけで3分の2以上の議席を持っているので、維新の会がキャスティングボートを握っているわけでもない。しかも、私は最年少の一回生議員なので、なかなか難しいとは思います。
しかし、若いから言えることもあれば、野党だから言えることもあります。まずは、その役割をきちんと果たすことですね。また、私の場合は国の役所と政経塾にいた経験があるので、そこで見聞きしたことやそこでの人のつながりを生かして、議員としての期待に応えられる仕事をしていきたいと思います。
宇佐美:若いということで、若者世代の利害を代表してほしいという期待もあるのではないかと思いますが。
丸山:おっしゃる通りです。今の政策のプライオリティを見ると、年配の人に目が向いているものが多いですね。今の日本があるのは年配の人たちのおかげなので、それがすべて悪いとは思いませんが、将来のことを見据えると、教育にしても子育てにしても、もっと若い人に投資していかないとダメだと思います。
私は20代ということで、同世代の「仕事がない」とか「子育て支援が不十分」とか、様々な不満の声を聞く機会がよくあります。そこで、その声を国政に反映させるためにも、20代や30代の議員たちが集まって会合を開いて、若い世代のために、もっといえば、今から生まれてくるような子供たちの未来を見据えて、世代間格差の是正や「国家百年の大計」を考えていこうという話をしています。
宇佐美:若い世代に向けた政策が少ないという点については、「若者が投票に行かないからダメなんだ」という意見もありますが、実際に選挙運動をしてみて、若者の政治に対する姿勢はどう感じましたか。
丸山:実際に、政治に興味があるのは、圧倒的に年配の方々です。20代や30代の投票率を見ても、とても低いですし。そういう面はあるのですが、高齢者の人たちも「お孫さんのために」とか「将来のために」という話をすると、ちゃんと聞いてくれます。「自分たちだけ良くなればいい」と思っている人はあまりいなくて、「将来の日本が心配だから、丸山、なんとかしてくれよ」と言ってくれる人も多いのです。そういう意味では、高齢者のことを意識しながらも長期的に将来の日本を見据えていく、というチャンスはあると思っています。
また、昨年末の衆議院選挙では、若手の議員がたくさん当選しています。国会では前のほうの席に20代や30代の議員が並んでいるのですが、それほど少ないわけではありません。政治家は投票率の高い高齢者の方をついつい見てしまいがちですけど、若い世代のための政策を通してくチャンスも大いにあります。若い世代にも意識的に目を向けつつ、将来に向けた政策もやっていきたいと思っています。
宇佐美:そういうことはやっぱり若い政治家のほうがやりやすいと思うので、若いなりの発信力は期待したいですね。
丸山:いつの時代も、世の中を大きく変えていくのは若い世代だと思うのですね。それを忘れずに、今の政治を変えていきたいと思います。
プロフィール
丸山穂高(まるやま ほだか)1984年1月大阪生まれ。東京大学経済学部卒業後、経済産業省勤務。松下政経塾(30期)を経て、昨年の衆議院選挙に日本維新の会より立候補し当選。宇佐美典也(うさみ のりや):1981年、東京生まれ。東京大学法学部を経て経済産業省へ入省。企業立地促進政策、農商工連携政策、技術関連法制の見直しなどを担当。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)への出向を経て退官。
・本人のブログ:うさみのりやのブログGT~三十路の元官僚、独立するの巻~
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