「今住んでいる街」の満足度は? 利便性だけでなく、近隣住民との相性も重要?|ARUHI「住宅購入に関する調査2022」
住宅を購入するにあたり「どの街に住むのか」という選択が、日々の暮らしを大きく左右します。新居での生活をスタートさせた住宅購入者は、現在自分が住んでいる街に対し、どの程度満足しているのでしょうか。ARUHIマガジンによる「住宅購入に関する調査2022」の結果から紹介します。
8割以上の住宅購入者が、現在住んでいる街に「満足」
現在住んでいる街の満足度
住宅購入者に、現在住んでいる街の満足度を聞いたところ、「とても満足」が31.7%、「だいたい満足」が51.0%、「どちらでもない」が12.7%、「少し不満」が2.7%、「とても不満」が2.0%という結果に。「とても満足」「だいたい満足」が合わせて82.7%と、大半が満足していることが分かりました。
現在住んでいる街に満足、もしくは不満を感じているのは、どのようなところからなのでしょうか。自由回答で聞いた理由を一部紹介します。
満足(とても満足/だいたい満足)
住宅地で静かで、近隣にスーパーや銀行など必要な店舗がそろっているから(50代・男性)
近くに公園や小学校もあるし、スーパーやコンビニもあって住みやすい(20代・女性)
駅に近く、都市圏もすぐに電車で行けるから(30代・男性)
都市圏へのアクセスがいい一方で、自然や文化施設に恵まれ、物価も安く、目下のところ言うことがない(30代・女性)
閑静な住宅街でご近所さんも良い人ばかりだから(40代・男性)
若い人が多く、気持ちが明るくなる(40代・女性)
不満(少し不満/とても不満)
自転車生活を送っている私にとっては、坂が多すぎます。ちょっと辛いです(50代・女性)
都心から遠く、駅前に何もなく、スーパーも2つくらいで遠いから(60代・女性)
買い物が不便(60代・男性)
駅から遠い(60代・男性)
前、住んでいた地域より物価が高い(50代・男性)
昔ながらの祭り行事や自治会などが面倒(30代・女性)
満足と回答した人は、買い物の利便性に加え、駅や学校、公園といった日常的に訪れる場所へアクセスしやすいことが満足度につながっている様子。また、近隣住民との人間関係や近所に同年代の人が多いエリアかといった「人」が合うかどうかも満足度の要因となっていそうです。
不満と回答した人は、日々の買い物や通勤などの移動がしづらいことを理由に挙げる人が目立ちました。また、実際に住んでみて物価の高さや地域の慣習に気づいた人もいるようです。
【未既婚別】現在住んでいる街の満足度
現在住んでいる街の満足度を未既婚別で見ると、子どものいない既婚世帯は「とても満足」が29.8%、「だいたい満足」が51.1%、「どちらでもない」が13.8%、「少し不満」が2.1%、「とても不満」が3.2%なのに対し、子どもがいる世帯は「とても満足」が38.8%、「だいたい満足」が44.7%、「どちらでもない」が12.9%、「少し不満」が1.2%、「とても不満」が2.4%でした。子どもがいる世帯の方が「とても満足」と回答した人が多く、「だいたい満足」を含めた満足している人の合計もやや多い結果となりました。子どもがいる世帯は子育て環境を意識して住む街を選んでいることが多く、イメージ通りの子育てができていることが満足度に影響していると考えられます。
【物件種別】現在住んでいる街の満足度
現在住んでいる街の満足度を物件種別で見ると「とても満足」「だいたい満足」と回答した人の合計が最も多いのが新築マンションで、91.2%と9割を超える結果に。次いで中古住宅と注文住宅が同率で85.7%でした。
一方、「少し不満」「とても不満」と回答した人の合計が最も多かったのが中古マンションで12.1%と、唯一の2桁台となりました。中古物件は建物の劣化や汚れが見られることもあり、築年数によっては住宅性能も新築と比べて見劣りする傾向にあります。事前に修繕やリフォームをせずに住み始めると、不満を感じやすいのではないでしょうか。
【世帯年収別】現在住んでいる街の満足度
現在住んでいる街の満足度を世帯年収別で見ると、「とても満足」「だいたい満足」の合計が、年収400万円未満の世帯が70.7%、年収400万円~700万円の世帯が81.0%、年収700万円~1,000万円未満の世帯が87.2%、年収1,000万円以上の世帯が90.6%と、世帯年収が上がるほど満足度が高い結果となりました。また、「とても満足」の割合が最も高いのは、年収700~1,000万円未満の世帯で41.0%を占めています。世帯年収が高いほど住宅購入予算も潤沢なケースが多いため、希望するエリアや立地条件の住宅を購入できていると考えられます。
まとめ
今回の調査結果により、住宅購入者の大半が現在住んでいる街に満足していることが分かりました。その一方で、不満を感じている人は生活の利便性や交通アクセスを理由とすることが多く、その地域ならではの慣習や人に馴染めない人もいるようです。
住んでみなければ分からないこともありますが、買い物のしやすさや日常的に利用する移動手段は、住宅購入前に確かめることができます。事前に住む予定の街へ足を運ぶなど下調べをして、後悔のない選択をしたいものですね。
【調査概要】
調査エリア:全国47都道府県
調査対象者:住宅購入経験者(直近1年以内)・検討者(直近3年以内)の25~69歳の男女
調査期間:2022年2月25日~3月2日
有効回答数:600サンプル
調査手法:クロス・マーケティングモニターへのインターネット定量調査
調査機関:株式会社クロス・マーケティング