年齢を重ね、暮らし回りを整える人が増えています。インテリア雑誌のライターとして活躍している大野祥子さん(54歳)は、家じゅうのものを見直し、不要なものを処分したところ、ものの量が半分にまで減ったそう。築44年の賃貸マンションも今では心地よい空間になったという、暮らしのコツについて教えてもらいました。

ものを持つ基準を明確にしたらすっきり暮らしがかなう!

家で過ごす時間を楽しむ余裕もでき、ものを探す手間も時間も省けて快適な毎日を送っている大野さんに、すっきり暮らしをキープするコツを伺いました。

押し入れは思いきってオープン収納で丸見えにする<写真>

●必要なものがすぐ手に取れて使いやすいキッチン

よく使う道具や調味料は、出したままに。「見直している最中なので、不要なものや使いにくいものがないかを意識して使っています」

・調理器具はサイズダウンする

mottole(モットル)のミキサー(左奥)、正島克哉さん作の1合炊き炊飯土鍋(右)。「小さくしたら軽いので片づけるようになりました。お茶はたっぷり飲みたいので、やかんはリサイズしませんでした」

・食器はお気に入りが少しあれば満足

食器はつり戸棚とつり戸棚下ラックにあるもので全部。

「前はつり戸棚の上までギュウギュウに入っていたのに、今はこの量で満足するようになりました。人って変わるものですね」

●寝室の収納はオープンにして風通しもよく

押し入れのふすまは思いきって外し、オープン収納に。中が丸見えになることで、未使用のものでもためらいなく捨てられるように。

 

・見える収納で常に量を把握

よく着る洋服はハンガーラックにかけて収納。

靴下はひと組ずつたたんで浅い引き出しへ。「深い引き出しに大量にあった靴下をよく使うものだけ残したら、これで十分でした」

●一時置き場としても活躍する書斎

少し前まで、ほかの部屋から出た不要なものや家具の一時置き場として使用。「ものを減らしたいときは、一時置き場があると、はかどります」

・増えがちな文房具は一か所に集約

散在する文房具は書類棚にひとまとめ。棚の一段が浅くて奥行きがあるため、種類別にアルミトレーに並べて。「重ならず、なにがどのくらいあるか一目瞭然。ムダ買いがなくなりました」

・汎用性のあるリンゴ箱を家具に

大きな家具は手放し、リンゴ箱を本棚として活用。「家具を買うより値段が手頃。積んでも使えるし、コンパクトで移動しやすい。いろいろな使い方ができるので重宝しています」

暮らしに必要なものがすぐ手に取れて、ひと目で把握できる。50代からは、そんな収納スタイルもおすすめです。そのためには、まずは身の回りのものを見直して必要なものだけに厳選すること。小さなところから少しずつ、始めてみませんか。