社会貢献など、さまざまな分野でその道に尽くした人をたたえる今年度の春の褒章の受章者が発表されました。栃木県内からは11人が受章しています。

今年度の春の褒章は全国では合わせて708の個人や団体が受章しました。このうち県内では長年ボランティア活動に尽くした緑綬褒章、それに農業などの分野で他の模範となった黄綬褒章に1人ずつ選ばれています。また、公共性の高い業務に取り組んできた藍綬褒章には9人が選ばれ、県内関係者は合わせて11人が受章しました。受章者のうち一部の対象者には5月9日、県公館で伝達式が行われます。

藍綬褒章の栄誉に輝いた栃木市に住む柏崎桂二さん(82)です。柏崎さんは59歳のときに当時の自治会長から頼み込まれ地域の民生委員・児童委員を引き受けました。最初の1年間は勤めていた金融機関の仕事との二足のわらじでしたが、家族や仲間に支えられながら79歳まで20年にわたって委員を務めあげました。

元々前向きな性格だったという柏崎さん。人のためになるという思いから週に1回程度の見守り活動などを通して高齢者が安心できる環境づくりやコミュニティづくりに腐心してきました。

地域住民とのコミュニケーションの中で高齢者だけでなく、若くして夫を亡くした女性からの相談に乗るなどさまざまな背景を持つ人と接してきました。一方、こんなエピソードも…

柏崎桂二さん:「息子に彼女を見つけてくれと。その後、結婚して子どもも生まれた。こういうエピソードもある」

趣味のゴルフは「現在少々衰えてスコアは90台」と笑う柏崎さんは健康そのもの。現在は自治会長を務め、地域のリーダーとして活躍を続けていて地域包括ケアの団体でも高齢者の生活支援などを行います。民生委員のなり手が少なくなる中、後進になメッセージをくれました。