撮り鉄30人以上殺到、八王子駅ホームに人転落 一時緊迫...JR東「列車撮影NGにはできないが課題」
珍しい臨時特急の写真を撮ろうと、東京都八王子市内のJR中央線・八王子駅のホームに鉄道ファンが集結し、このうち男性1人がホームから線路に転落して救助された。
JR東日本では、男性がなぜ転落したのか詳細は不明としたが、狭いホームには大勢のファンがいて危ない状況ではあったらしい。同社では、「列車撮影をNGにはできませんが、今後の課題だと考えています」と取材に話した。
駅員3人がかりでようやくホームに引き上げ
ホームに停車した特急列車の5メートルほど先で、線路に転落した若い男性がホームの端にしがみつき、必死に上ろうとしている。1回試みて失敗し、駅員が手を差し伸べ、駅員3人がかりでようやくホームに引き上げた。
その周りには、カメラを持った鉄道ファンら30人以上が集まっていた。
転落の様子を撮った写真数枚は、2022年4月2日にツイッターで投稿された。さらに、4日には、テレビのウェブ版ニュースで、そのときの動画が紹介された。
それらの情報によると、この日、八王子駅では、男性の転落後に非常停止ボタンが押されて駅構内にブザーが鳴り響き、緊迫した空気に包まれた。一歩間違えば、大惨事になりかねなかったようだ。
JR東日本八王子支社の広報室にJ-CASTニュースが4日に取材して聞いたところによると、転落事故があったのは、2日午前9時55分ごろだった。まだ確認中だとしたうえで、カメラで写真を撮っていたとみられる男性が、撮影に夢中になってバランスを崩してホームから線路に落ちた可能性があるという。脚立などは使っていなかったとした。
特急は、旧国鉄色に再塗装され、鉄道ファンに人気
転落した男性が、黄色い線の外側に立っていたかどうかは分からないとしながらも、立っていれば注意するとした。この男性に、ケガはなかった。
臨時特急は、予定通り4月2日午前10時4分に八王子駅を出発したが、非常停止ボタンが押されたため、前後の列車が4分ほど遅れた。
八王子支社によると、この特急列車は、福島県いわき市内のJR常磐線・いわき駅への春の観光キャンペーンで、車両基地にあったE653系を「いわき」号として運行させていた。1997年製造と比較的新しいが、クリーム色に赤のラインが入った旧国鉄色に再塗装されており、鉄道ファンに人気があるという。
転落事故が起きたことについては、「列車撮影をNGにはできませんが、今後の課題だと考えています」と話した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)