遺族が提訴 裁判で責任追及 那須雪崩事故
2017年3月に那須岳で登山講習中の大田原高校山岳部の部員と教諭合わせて8人が雪崩に巻き込まれ死亡した事故で一部の遺族が2日、「自然災害ではなく人災」だとして栃木県や講習の責任者を務めた3人の教諭などに対し、およそ3億8千万円の損害賠償を求めて宇都宮地裁に提訴しました。
提訴したのは犠牲になった生徒4人と教諭の合わせて5人の遺族の18人です。
遺族側は2020年3月から県や講習を主催した県高校体育連盟、それに3人の教諭などに対し責任を明確にした真摯な謝罪と損害賠償を求めて民事調停を申し立てていましたが、両者の意見が折り合わず1月、不成立となっていました。
遺族らは3日午後1時ごろ、宇都宮地方裁判所を訪れ、訴状を提出しました。
訴状などによりますと、遺族らは登山講習の3人の教諭らに注意義務があったにも関わらず適切な行動をとらなかったことを指摘し、雪崩事故は自然災害ではなく人災だとして個人に過失があると主張。
公的に裁判所が判断宣言してほしいとしています。
遺族によりますと、3人の教諭は民事調停にも姿を見せず、いまだに遺族に対する謝罪も説明もないといいます。
人災ということを認めてもらい事故の教訓を正しく後世に伝えていきたいと話しています。
提訴を受けて福田富一知事は「訴えの内容については訴状が届いておらず承知していませんが、訴状が届き次第、内容を確認の上、真摯に対応して参ります」とコメントしています。