全身から倦怠感が抜けなかった女性(画像は『The Sun 2022年1月25日付「NAP ATTACK I was so tired I had to nap all the time but doctors discovered I had 20% chance of survival」(Credit: PA Real Life)』のスクリーンショット)

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イギリスに暮らすある女性は、10代の頃から常に疲労感に襲われ昼寝ばかりしていた。そのため周囲から「怠け者」扱いされていたが、のちに深刻な心臓病が原因だったことが明らかになったという。『The Sun』『New York Post』などが伝えている。

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英チェシャー州ノースウィッチ在住のシャーロット・カーニーさん(Charlotte Carney、25)は心臓移植によって重篤な病気を克服したが、1月25日に英メディア『The Sun』が彼女について伝えたところ多くの関心を集めた。

シャーロットさんは10代の頃、稀な心臓病で2018年に心臓移植手術を受けている。今では元気に生活しているが、病気が判明するまでは昼寝ばかりしていたために周りから「怠け者」と言われることもあったそうだ。

2015年にシャーロットさんはリヴァプール・ジョン・ムーア大学に通うため、ノースウィッチからリヴァプールに引っ越した。しかし大学に通い始めてから間もなくして、自宅から歩いて5分のキャンパスに行くだけで息切れを起こすようになったという。

シャーロットさんは自分の変化を心配し、医師に診察してもらったが「授業によるストレスのせい」と言われたそうだ。ところがその後も激しい倦怠感により外出もままならないため昼寝することが多くなり、大学1年目の授業の大半を欠席してしまった。

そんなシャーロットさんを見かねた母親が「もっと詳しい検査を受けるように」と強く勧め、若年層の心臓病による突然死を減らす取り組みをしている慈善団体「Cardiac Risk in the Young」のサポートを受けて専門医を紹介された。

シャーロットさんは心エコー図(ECG)をはじめ、CTスキャン、レントゲン、MRI、そして血液検査などを受けたのち、2016年10月に「拘束型心筋症」と診断された。「Cardiac Risk in the Young」によると、この病気はイギリスで約7000人が発症しており、血液が適切に心臓を満たすことができない稀な病気とのことだ。

そのためシャーロットさんは心臓からの血流が十分ではないことから、息切れや疲労に加えて心不全の症状を起こすこともあった。シャーロットさんは疲労感からくる眠気に襲われる原因が判明し、良くも悪くも人生に変化が伴ったという。当時のことを「私は自分の中の小さな世界にいて、試験に集中するようにしました。ただ論理的に物事を進め、(病気について)何も無かったかのように気にしないようにしていたんです」と振り返っている。

しかしそんなシャーロットさんを愕然とさせたのが「心臓移植なしでは今後2年以上の生存率が20パーセント」と医師に告げられたことだった。しかも「血栓が見つかったため血液凝固阻止剤を使用しなければならない」と医師から電話があり、シャーロットさんは大学を休学して地元のチェシャー州に戻ることにした。

ただ幸いなことにシャーロットさんは2018年2月に心臓移植希望者に登録されるとすぐにドナーが見つかり、無事に移植手術を終えた。シャーロットさんは生まれ変わった自分についてこのように話している。

「頭の中の靄がなくなったような気がしました。(手術が終わった直後は)ひどい疲労感があったものの、気分は何倍も良くなっていました。だって以前の疲労とは違って自分が変われたためだと知っていましたから…。」

そして同年9月にシャーロットさんは大学に戻り、無事に卒業した。さらに2019年7月には交際していた恋人のキーランさん(Ciaran)からプロポーズを受けており、今年の夏に結婚式を挙げる予定とのことだ。

画像は『The Sun 2022年1月25日付「NAP ATTACK I was so tired I had to nap all the time but doctors discovered I had 20% chance of survival」(Credit: PA Real Life)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)