施工会社選びを家づくり成功者が振り返り。優先順位を決めて行動を
家づくりに成功した人は、施工会社をどのように決めているのか気になるところ。成功者の「決め手となったポイント」に耳を傾けてみましょう。教えてくれたのは、暮らし評論家の大木聖美さんです。施工会社を探す前はなにをすべきか。そして、出会ったらどこを判断の基準にするのか。詳しく語ります。
探し始める前にした大事なこと
「家を建てよう！」。そう思ってから、実際に住み始めるまでに2年かかりました。なかなかよい土地と巡り会えず、手間取ったからなのです。
一方で、施工会社はすんなり決まっていました。決め手となったのはどんなことだったのか、振り返り返ってみます。
わが家では、まずは冷静になって夫婦で理想の家について、あれこれ話し合いました。そして、優先順位をまとめてから、施工会社を探し始めました。
いきなり住宅展示場などに足を運ぶと、情報に飲み込まれ、考えがブレて時間と体力を奪われて疲れてしまうと思ったからです。
今の時代なら、SNS上にある他人の体験談なども参考にしながら、自分たちの「これだけは譲れない」という順位を、あらかじめ決めておくといいでしょう。これが、施工会社選びの指標となって、情報に振り回されるということは減りそうです。
地震に強い家づくりが得意なところに
幼い頃から私は、関東大震災を経験した祖母から、地震の怖さを語り継がれていました。そんなこともあり、「家を建てるなら地震に強い家に」というのが、家づくりの高い優先順位に。そこを得意としている施工会社を調べ、最終的に3社で相見積もりを取り絞っていきました。
先方のセンスに共感できるかは大事
「これは！」と感じた施工会社のモデルハウスや完成見学会に、足を運んでみました。その際、インテリアデザインや全体の雰囲気が、自分たちの求めているものと似ており、なんだかとても共感。
担当したインテリアコーディネーターも紹介していただけたので、「この人に頼めば、思い描いている雰囲気を形にしてもらえるかも」と感じたのも決め手となりました。
実際、伝えた雰囲気以上の提案をしていただけたので、なんとなく感じたセンスの共感って、とても大事だなと思いました。
施主支給について柔軟な対応ができる
わが家でははじめから、キッチンと照明の一部は使いたいものが決まっていました。そこで相談したところ、施主支給（自分で設備機器などを用意すること）を快く受け入れていただけることを確認。
「その場合のスケジュール感はどうなるか」といったことなども、きちんと説明あり。このやりとりで、安心したことを覚えています。
定期点検などアフタフォーローも重要
家は建てて終わりではなく、住み始めてからがスタート。10年、20年と長く住む間にメンテナンスも当然必要になってきます。
床下や天井裏、屋根や外壁、基礎など自分ではわからない箇所を、しっかり点検してもらえる仕組みが整っていることも、大きな決め手となりました。とくに15年を過ぎたあたりから、いろいろと問題が目についてきます。なにかあった際に相談しやすいかどうかも重要です。
いちばん大きな決め手はズバリ、人！
担当者の人柄や誠実さが、やはりいちばんの決め手でした。こちらの悩みをしっかりと聞いてくれて解決策を一緒に探ってくれたり、減額できる箇所はないか相談に乗ってくれたり。
できないことはハッキリできないと断ってくれたことも、変な期待を抱かずわかりやすくて助かりました。
スケジュールや時間に正確。「調べる」と言ったことは、次回打ち合わせまでにきちんと調べておいてくれます。こうして、打ち合わせを重ねるたびに、信頼感が増すことに。
そしてなにより、お互いに話が合いました。家づくりはお金も時間も絡む、とても長いマラソンです。だからこそフィーリングのよさって、大事だと思います。
予算とのせめぎ合いもありますが、楽しいはずの家づくりが、楽しいまま終われるかどうかは、施工会社選びによって大きく左右されます。
みなさんの家づくりに、よき出会いがありますように！
