最新技術の見本市「CES 2022」開幕 ロボット/ドローン/メタバース/自動運転など最新テクノロジーの祭典

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ロボスタでは既にCES 2022に関する記事を掲載し始めているが、2022年1月6日、全米民生技術協会(CTA)はCES 2022が正式に開幕したことを発表した。


今年のCESは、米国ラスベガスでの来場型イベントと、デジタル型のハイブリット方式で開催されている。来場型イベントはコロナ禍にあって2年ぶりとなる。人々の健康と安全の水準を向上させ、生活にイノベーションをもたらす様々なテクノロジーが披露される予定だ。CES 2022では、800社のスタートアップ企業を含む2,300社以上が出展。自動車技術、人工知能(AI)、デジタルヘルス、スマートホーム技術などの最新技術に加え、NFT、フードテック、スペース(宇宙)テックなどの新しい分野のイノベーションが紹介される。CTAの運営での「CES 2022」は、1月7日(金)まで開催される。
CTAの社長兼CEOのGary Shapiro氏は、開会式で次のように述べた。「CES 2022では、今後数十年の間に人類が抱える課題を解決し、私たちの社会を再構築するような画期的なイノベーションを体験できるでしょう。AI、デジタルヘルス、交通、ドローン、スマートシティ、デジタル資産、宇宙技術におけるイノベーションは、人類の可能性を広げてくれると確信しています。」

Gary Shapiro氏また、CTAのエグゼクティブ・バイス・プレジデントのKaren Chupka氏は、業界トレンドを紹介するセッションで次のように述べた。「テック業界はCESを通じて、半世紀以上にわたって新しい顧客を開拓し、投資家を探し、メディアとの接触を図り、業界のリーダーと繋がり、新しいイノベーションを発見してきました。今年のイベントにおいても、スタートアップから大企業まで、何千人もの参加者に対して、あらゆる人と繋がることができる機会を提供します。」
米国時間の1月3日、4日には、一般公開に先駆けて、Media Day イベント、記者会見、CTA主催の2022 Tech Trends to Watchプレゼンテーション、CES Unveiled Las Vegas、サムスンとゼネラルモーターズによる基調講演などが実施された。

現代自動車の講演にはボストンダイナミクスも登場
●基調講演 ハイライト
CTAが発表した基調講演のハイライトは下記の通り。
●サムスン
サムスンの副会長兼CEOであり、DX(Device eXperience)担当責任者であるハン・ジョンヒ氏は、CES 2022の基調講演で同社の「Together for Tomorrow」ビジョンを発表した。より持続可能で、適応性の高いコネクテッドな未来を築いていくには、さらなるコミュニケーション、コラボレーション、サステナビリティを推し進めるテクノロジーの進歩が必要であると強調。同社は持続可能な未来の実現に向けた第一歩として、完全にリサイクル可能な梱包材、太陽電池や無線で駆動するデバイス、新しい省エネ製品への取り組みを紹介した。また、これらの環境に配慮したイノベーションについて、今後様々な業界で利用できるようにすると発表。同氏は、サステナビリティへの共同の取り組みといった変化の積み重ねが、地球に真に意味のある影響を与えることができるとしている。

JH Han氏 Vice Chairman & CEO
●ゼネラルモーターズ
GMの会長兼CEOであるMary Barra氏は、米国時間1月4日にCESのオープニング基調講演(オンライン)に登壇し、自動車業界を再構築するオール電化の戦略について紹介するとともに、満を持して「シボレー・シルバラードEV」を発表した。また、同社の技術系スタートアップであるBrightDrop社は、電気商用車 EV600と電動パレットEP1に関する最新情報を紹介した。
●2022 Tech Trends to Watch
米国時間1月3日、CTAの市場調査担当バイス・プレジデントであるSteve Koenig氏は、注目すべき2022年のテクノロジートレンドを紹介した。米国の家庭における4Kテレビやスマート家電などの新技術の所有率が過去1年間で7%以上増加したことから、消費者が身の回りのテクノロジーの質をあげていると指摘。2022年には米国の消費者向けテクノロジー業界の小売売上高は過去最高の5,050億ドル(昨年比2.8%増)を超えると予測されており、半導体の供給が回復することを見越し、スマートフォン、自動車関連技術、健康機器、ストリーミングサービスに対する高い需要が、予測売上の多くを後押しすると語った。また、自動車関連技術は、今年の出荷収益が160億ドルに達し、2021年の149億ドルから7%という目覚ましい成長が期待されると述べた。
●Unveiled Las Vegas
米国時間1月3日には、CES Unveiled(新発表)のイベントが開催され、140社以上の出展企業と600以上のメディアが参加した。本イベントでは、Baracoda Daily Healthtech社のBluetooth接続体温計「bcool」、モーションコントロールとAmazon AlexaおよびGoogle Assistantによる音声操作に対応したMoen社のスマート水栓、MoonBikes Motors社の電動スノーバイク、Naio Technologies社の農業アシスタントロボット「Oz」など、様々なイノベーションが先行公開された。
●Media Day
Media Dayでは、主要なグローバルブランドを含む出展企業14社が記者会見を行い、以下の製品を発表した(抜粋で紹介)。

Sony Press dayAdvanced Symbolics Inc.:
消費者の今後の購入意向を予測する企業向けAIマーケティングツール「Ask Polly」を発表。
Bodyfriend:
医療用酸素技術で疲労を軽減するマッサージチェア「Pharaoh O2」を発表。
ボッシュ:
CES 2022 Innovations Awardsを受賞した、サイクリストのためのスマートコネクテッドバイキングソリューションを紹介。
キヤノン:
VRヘッドセットにより、リアルタイムで様々な視点でオンラインコミュニケーションに参加できるVRプラットフォーム「Kokomo」を紹介。
Doosan Bobcat:
油圧機器や部品をなくした初のEV式コンパクト トラックローダー「Bobcat T7X」を発表。
ハイセンス:
高輝度と1,200ゾーンのLEDローカルディミングを実現する2022年型ULEDテレビを発表。
現代自動車:
モノに移動性を与えるロボティクス技術基盤「プラグ・アンド・ドライブ」モジュールを紹介。本番の講演ではボストンダイナミクスも登壇。
Indy Autonomous Challenge:
1月7日にLas Vegas Motor Speedwayで行われる、世界中の大学チームが自動運転技術を競うレースイベントを紹介。
インテル:
マルチコアアーキテクチャを再定義するノート型PC向けのモバイルプロセッサ「12th Gen Intel® Core™」を発表。
John Deere:
12個のステレオカメラとNVIDIAのGPUを搭載した、スマートフォンからも操作可能な全自動農業用トラクター「8R 410 tracter」を発表。
LG エレクトロニクス:
世界初の42インチと97インチの有機ELテレビを発表。
Ottonomy:
非接触型のデリバリーを実現する自動配達ロボットを発表。
クアルコム:
自動車向けのデジタルプラットフォーム「Snapdragon Digital Chassis」を紹介。
ソニー:
有機ELパネル「QD-OLED」を搭載した4Kテレビ「BRAVIA XR A95K」を発表。ロボスタでは新型EVのSUVモデルを紹介

© Consumer Technology AssociationCES 2022 関連記事:
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