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箱根駅伝、今年もありがとう!

正月のだらけた心身に一本芯が通るような思いで、今年も箱根駅伝を見守りました。長い鍛錬の日々を超えて、この日に自分の学生生活の結晶を示す、そんな生き様に目標を持つことの素晴らしさ、頑張ることの素晴らしさを改めて感じさせられます。今年こそ自分も…と思ってすぐに諦めることの連続ではありますが、今年こそ自分も何かの目標に向かって頑張りたい、そう思いました。

この大会を目指したすべての学生たち、大会を実現してくれた関係者の皆さん、そしてすべての応援する人たちに感謝と激励を送りたいと思います。今年も箱根駅伝をやってくれてありがとう、また来年を目指して頑張りましょう。そんな気持ちでいっぱいです!

↓優勝は前人未到の大記録で往路・復路・総合の完全優勝を遂げた青山学院大学!

パワフル過ぎる走りで大圧勝!

往路を優勝したうえで復路で区間賞・区間新を連発する圧倒的なチーム力でした!


↓原晋監督のツイッターでは往路出発前にすでに復路のメンバーが明かされていました!

1区から10区までその通りの並びでタスキに記された選手たち!

これぞ予告大圧勝!

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例年にも増して充実の内容となったレース。圧勝の青学は当然のこととして、各校とも好タイムを記録しており、なんと11位でシード権を逸した東海大まで総合10時間台におさまっています。上位数校しか10時間台ではゴールしないという年も多いなかで、10時間台でシード落ちというのは、それだけ学生たちが日々をしっかりと積み重ねてきたことの証です。ラスト1キロでシードを逃すというのは辛い出来事ではありますが、チームとしていい走りをしたこと、胸を張れる内容だと思います。

そして、順位としては下位に沈んだチームたちも素晴らしい走りを見せてくれました。とりわけ、本大会初出場の駿河台大学などは、初出場ながらも繰り上げなく1本のタスキをゴールまでつないで見せる大快走でした。有力選手を復路にまわし、とにかく繰り上げなくタスキをつなごうとした徳本監督の采配の妙。そうした配置の結果、31歳元教員の4区・今井選手から、教員時代の教え子である5区・永井選手へタスキをつなぐ「師弟リレー」も実現しました。「夢」が詰まったチームでした。

徳本監督の学生時代をほうふつとさせるようにデカめのピカピカサングラスをかけて走った10区・阪本選手がゴール後に開口一番で発した「楽しかった!」の一言は、箱根駅伝の素晴らしさを象徴するかのようでした。学生生活を捧げるに足る目標があって、そこで自分の鍛錬の成果を発揮できることの素晴らしさは、まさに生きることの素晴らしさと同じものだろうと思います。その気持ち、すべてのチームに大切にして欲しいなと思いました。

徳本監督が監督車から放った「謝ってきたら、ぶっとばすから」などの印象的な言葉の数々は、学生たちとのいい距離感を示すかのようでした。来年はまた予選会からのチャレンジとなりますが、それも含めて、「夢」へとつながる素晴らしくて楽しい道なのだとみんなが思えるようなチームを、また作ってきてもらいたいなと思います。「まるで優勝」したような喜び方を見せた選手たちに、「まるで優勝」したかのようなお祝いをしたいと思います。駿河台大学、箱根駅伝完走おめでとう!

↓個人的には今大会優勝相当のチームでした!

選手時代はいつも苦しそうだった徳本監督が楽しそうで何よりです!

またいいチームを作ってきてくださいね!



そうしたなかで、心残りな状況もありました。昨年に引きつづき、大会主催者側により応援自粛が呼びかけられるような状況にあったことです。オミクロン株流行の兆しが見え、前週比で感染者が増加傾向にあるなかでの開催でもあり、事前にこういう判断をしていたことは堅実な道だったのかなとは思いつつも、やはり寂しさは拭えませんでした。

自分自身は正月は寝て過ごすものという姿勢で、特に沿道に出てどうこうということはないのですが、選手の親兄弟、友人・知人、身近で支えてきた人たちがこうした方針の下で直接応援することができず、むしろそういった「箱根駅伝を愛し支える人たち」こそが主催者のお達しを守って家に留まっているということには、やり切れなさを覚えます。

選手たちと直接関係がないまでも、コース沿いに住まう人々には、それを地域の喜びとしている人も多いでしょう。僕が不動産屋なら「このマンションは箱根駅伝がベランダから見えますよ」くらいは当然のセールスアピールとして言います。その地域の価値のひとつでさえあると思います。地域のひとりとして一緒に参加してきた、一緒に喜んできた人たちのなかにも、愛するがゆえに我慢をした人もいるでしょう。そのあと同じ道を買い物で通るのだとしても。愛する人ほど我慢をする世の中は、率直に言って理不尽だなと思います。



箱根駅伝がこのように大きな「夢」となったことには、あの長い箱根路を埋める人々のにぎわいというものも、大きなチカラとなってきただろうと僕は思います。原初の光は選手たちが走って生まれたものですが、それに魅せられた人々が沿道に集い、そのにぎわいをメディアが広め、遥か遠くの人までも見守る大きな夢へと育っていったのです。そうして大きくなった夢が、また新たな選手たちを惹きつけるという循環が生まれているのです。どれが欠けてもここまでの夢にはならなかったはずです。

映像で見るピラミッドと自分の目で見るピラミッドが別物であるように、選手たちにとってもテレビを通じて送られる声援と、自分の目と耳で感じる声援はまた別物でしょう。一生数度の機会に、せめて大切な人とだけでも、自分の目と耳と声とで支え合う機会を持たせてあげたいというのは、毎年テレビで楽しませてもらっている身としての願いでもあります。僕自身が東京マラソンを走った経験でも、沿道を埋める人々の列やランナーに向けられた声援は忘れがたい記憶でもあります。そうした体験の最上級のものを、頑張ってきた選手たちには経験して欲しいですし、ご家族にそういう機会を持たせたい、そう思います。

もし主催者として、そうした応援や声援がかけがえのないものだと思うのであれば「どうにかしてやれるように」という気持ちを忘れないで欲しいなと思いますし、今の状況は望んでやっていることではなく「耐え難いながらも耐えていること」であると強く発信しつづけて欲しいなと思います。そして、もしも来年もこうした状況がつづいていたときには、状況がおさまるのを待っているだけではなくて、今度は一歩でも二歩でも踏み出せるようにしていって欲しいなと思います。

主催者側に「大会自体がなくなってしまう」ことへの不安や恐れがあるようなら、沿道の自治体からも大会が地域の喜びにつながっているのだと後押しをしてあげて欲しいですし、支援するメディアも「テレビ中継さえできればいい」「むしろテレビで見てくれるほうが歓迎」「全員家で見てろ!一生!」という姿勢ではなく支えていって欲しいなと思います。そして、例年沿道で見守ってきたファンたちも、本心としては「行きたい」「支えたい」「見守りたい」のであると、静かに、強く、発信していって欲しいなと思います。これは「英断」ではなく「我慢」なんだと、辛いのだと、発信しつづけて欲しいなと思います。

↓そうは言うても行く人は行くんですけどね!だって公道だから!


僕はこうして沿道に出る人をおかしいとは思いませんし、非難する気もありません。素晴らしいものがあったら見たいと思うのは自然な心の動きです。屋外での観戦であることや、総数では多くても道沿いに長く伸びているだけという人の配置を考えれば、日常生活以上の感染拡大が起きるとも思いません。「自分の好きなもの以外にも、そういう気持ちを向けて欲しかったな」とは思いますし、こういう人が「自分の好きでないもの」に対して常に攻撃的であるから、みんなが我慢しなければならない世の中になっているんだぞとは思いますが、沿道での応援なども気兼ねなくできて、正義の名のもとに批判されないような社会のほうがあるべき姿だと思います。

「こうしたい」という意志がなければ、世の中は動きませんし、希望は叶いません。自分が行くかどうかはともかく、箱根駅伝のにぎわいはあって欲しいですし、それを愛する人々が選手を直接応援できる環境であって欲しいと僕は思います。来年すぐに「誰でも歓迎!」「何百万人でもOK!」「一緒に騒ぎましょう!」と言えるような状況にはならないとしても、地域との協力のもと、中継所や特定の応援エリアなどあらかじめ定められた区画だけでも、本当にそこにいるべき人たちがいられる場所を確保してあげられるような次回大会であればいいなと思います。

「応援したいから、応援に行かない」ではやり切れない。

「応援したいから、どうにかして応援に行けるように、こうやっていこう」であって欲しい。

来年・再来年という近い未来と、この先また同じようなことが起きる遠い未来に、我慢することだけが唯一解ではなく、これまでの経験を活かして一歩でも二歩でも踏み出せる世の中であるように祈ります。箱根の温泉宿あたりも、いい加減大っぴらに客を迎え入れて盛り上がりたいでしょうしね!



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一年一年すべてやり直しが効かない時間として、尽力しつづけたいものです!