この記事をまとめると

■同じような時期に出たクルマ同士でデザインがそっくりなクルマが存在する

■そっくりというか、むしろ参考にして似せたという伝説を持つクルマもある

■車種によってはクルマ好きでも一瞬間違える場合もあるとかないとか

まったく違うクルマなのに2台が並ぶとめちゃめちゃそっくり!?

 クルマにそこまで興味がない人が言う「クルマの見分けがつかない」というのは、我々クルマ好きからしてみると信じられない発言であるが、なかには本当に見分けがつかないほど似通っているモデルも存在する。

 もちろんOEM車や兄弟車ではなく他メーカーの車種なのだが、一瞬では判別が難しいほど似ている車種たちをいくつかピックアップしてご紹介しよう。

1)トヨタ スプリンタートレノ(90系)と日産 シルビア/ガゼール(S12系)

 頑なに後輪駆動レイアウトを守ってきたスプリンタートレノ/カローラレビンが初めて前輪駆動となった90系。駆動方式こそ変更されたが、レビンが固定ライト、トレノがリトラクタブルヘッドライトというのは不変だった。

 そんな90系カローラレビンとかなり似ているのが1983年に登場したS12型シルビアだ。こちらもリトラクタブルヘッドライトを持ち、2ドアクーペスタイルとなっているだけでなく、前期型ではリトラクタブルライトの前にポジションレンズが備わり、バンパーにオレンジのウインカーが埋め込まれているという配置まで共通だったのである。

そっくりどころか参考にまでされていた!

2)ホンダ トゥデイ(初代)とルノー トゥインゴ(初代)

 1985年にホンダが11年ぶりにリリースした軽乗用車(登録上は4ナンバーの軽ボンネットバンだが)であるトゥデイ。当時のCR-Xをも上まわるロングホイールベースを誇り、1315mmという低い全高ながら、バスタブ型のフロアパンを採用して室内空間を確保した、元祖“低床低重心”モデルだ。

 そんな初代トゥデイに非常に似通ったデザインを持つのが、1992年に登場したルノーのコンパクトカー、トゥインゴである。

 トゥデイほど全高は低くないものの、可能な限り四隅に配置されたタイヤやフロントバンパーに食い込んだヘッドライト、短いボンネットなど、共通した意匠を持っており、一説には実際にトゥデイを参考にしたという話もあるほどなのだ。

3)ダイハツ ブーンルミナス/トヨタ パッソセッテと日産 ノート(初代)のリヤ

 コンパクトカーのブーン/パッソをベースにホイールベースを延長し、7人乗りの3列シート車に仕立てあげたブーンルミナス/パッソセッテ。本来であればシエンタの後継車種となるハズだったが、残念ながら人気車になることができず、一旦生産が終了したシエンタが復活するというミラクルの立役者となってしまった。

 そんな同車を斜め後方から見たときにものすごい既視感に襲われた。それこそが2005年に登場した初代ノートのものだったのだ。

 リヤゲート上端に配置されたテールランプユニットやリヤクォーターウインドウの形状、バーハンドルタイプのドアノブにバンパーに埋め込まれたリフレクターと、パーツの位置関係なども非常に近く、瞬時に見抜くのはなかなかに難易度が高いと言える。