東日本台風の上陸から１２日で２年です。２０１９年１０月１２日、激しい雨が降ったあと、この日の深夜から翌朝にかけて佐野市の秋山川や宇都宮市の田川などの水があふれ市街地を襲いました。

栃木県内では４人が死亡し住宅被害は１万４０００棟以上、河川や道路など県が管理する土木施設ではおよそ８００カ所以上が被害を受けるなど大きな爪痕を残しました。

自宅の浸水や土砂崩れなどで最も多い時でおよそ１万９９００人が避難しました。

現在は多くの人が日常を取り戻していますが、栃木県が借り上げる民間の住宅には２年経った現在も９４世帯１７３人が住んでいます。

５０年に一度のレベルと言われる記録的な豪雨災害が全国で毎年のように起きる中、子どもたちに防災の意識を高めてもらおうと鹿沼市で１２日、防災教室が開かれました。

２年前に発生した東日本台風について、ほとんど覚えていない児童も少なくありませんが、市民団体が楽しく防災について学べるよう工夫しています。

鹿沼市の菊沢コミュニティセンターで防災教室の授業を受けたのは菊沢西小学校の４年生の児童１０人です。

防災意識の向上や災害の時に役立つ人材の育成活動に取り組む「菊沢きずなプロジェクト」のメンバーが講師を務め、避難所での生活やＡＥＤの使い方などを体験しながら学びました。

こちらはレスキュー隊になってゲーム形式で人命救助を学ぶ「きずなトライアル」です。

がれきに挟まれた人形を救出し、物干し竿と毛布で作られた簡易担架でベッドまで運びます。

人形の重さはおよそ５０キロ、道は災害時と同じようにでこぼこに作られていて、楽しみながら防災について学ぶことができます。

菊沢地区は２０１５年の関東・東北豪雨で大きな被害を受けていて、菊沢きずなプロジェクトでは教室を通して災害時に助け合うことを学んでほしいとしています。