中田翔の活躍「素直に喜べない」 巨人ファンも困惑する、移籍で処分解除の「謎ルール」
はたして美談になるのだろうか――。野球ファンから疑問の声が上がっているのが、巨人・中田翔の処遇だ。
日本ハムで後輩のチームメートに対する暴行トラブルにより、2021年8月11日に無期限の出場停止処分を科せられたが、巨人に20日に電撃トレードされると、1軍で即登録されて出場した。
「勝つためならなんでもありなんでしょうか」
中田は22日のDeNA戦(東京ドーム)に「5番・一塁」でスタメン出場すると、3点差を追いかける7回に移籍後初アーチなる5号2ランを左翼スタンド上段に運んだ。
中田の移籍後初アーチに、バックネット下の関係者ブースで観戦した長嶋茂雄終身名誉監督が窓をたたいて喜ぶ姿が。この回を終えて、中田は8回の一塁守備に向かう際に万雷の拍手を浴びると、観客席に向けて脱帽して深々と頭を下げた。
ネット上では「ナイスバッティング!やってしまったことは仕方ない。巨人で勝利に貢献することが日本ハムに対する恩返しにもなる」と中田を称賛するコメントが見られるが、それだけではない。
「巨人ファンですが、素直に喜べない。暴行で出場停止になった選手をトレードで獲得して活躍しても心に響かない。勝つためならなんでもありなんでしょうか。節操がなさすぎる」「中田が打った、打たないの問題ではない。今まで他球団から主力を獲得してもなんとも思わなかったが今回は酷すぎる。暴行を受けた被害者がいるんだよ?出場停止はどうなったんだ」
このように手厳しいコメントも目立つ。
処分発表から10日でプレー復帰
禊を果たしたとは言えず、日本ハムから暴行事件の説明責任も謝罪会見も行われていない。
中田が日本ハム在籍時に後輩選手に暴行をふるったとして8月11日、統一選手契約書第17条(模範行為)違反で1軍・ファーム全ての試合の出場停止処分を科せられたことが発表された。この時は、まさか10日後に巨人のユニフォームを着てプレーしているとは誰も想像できなかっただろう。
中田が活躍することで、世論の厳しい目が変化するとは思えない。巨人と日本ハムのやり方は正しかったのだろうか。