小型人工衛星の実物大模型(手前)を紹介する杉木社長。(撮影:東雲吾衣)

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宇宙開発専門ベンチャー企業のアストロリサーチ(本社・横浜市)は8日、東京都千代田区の東京国際フォーラムで、小型人工衛星を使った世界初の個人向けサービスを9日から開始すると発表した。同社は、個人が思い出の品を宇宙に飛ばすなどの用途を想定しており、価格はパッケージで1億円。

 同サービスは、10立方センチのアルミ合金の箱に品物を入れ、それを25立方センチの小型人工衛星に搭載し宇宙に打ち上げるというもの。打ち上げ後の衛星の管理や、位置追跡サービスなどをまとめたパッケージでの販売になる。現段階では、申し込みから打ち上げまで1年から2年を要すという。同社では、発売から1年で1−3件の受注を見込んでいる。

 衛星用ロケットで高度600−800キロまで打ち上げられた衛星は、地球の周りを一日15周程度回る。一日に2度は日本の上空を通過し、その際にはインターネットなどを通して利用者に通過を知らせるサービスも付く。通信機能は3年で使用不可能となるが、衛星自体は25年ほど軌道を回り続け、最後は大気圏に突入し燃え尽きるという。

 同社の杉木光輝社長は、1億円という価格について「一般の人でも手の届く価格を設定した」と説明。担当者は「ラブレターを人工衛星に載せ、地球を回る衛星を感じながら、愛を語りあうというプレゼントもいいのでは」とロマンチックな利用例を紹介した。【了】