鎮火するため3隻の船が消火活動にあたる(画像は『Manuel Lopez San Martin 2021年7月3日付Twitter「Sobre el incendio registrado en aguas del Golfo de México, en la Sonda de Campeche, a unos metros de la plataforma Ku-Charly」』のスクリーンショット)

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今月2日、メキシコ湾沖で海面で真っ赤な炎が燃える火災が発生した。これは海中に設置されていたガスパイプが破裂したことが原因とみられており、鎮火には約5時間かかったことを『The Independent』などが報じた。この映像がSNSに投稿されると6000万回以上の再生回数を記録し、マグマが流れていると勘違いしてしまうほどの衝撃的なシーンに、人々は「海の火事だ」などと驚きの声をあげている。

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メキシコ南東部ユカタン半島沖にあるク・マロブ・サップ油田を運営管理しているメキシコ国営会社「ペメックス(Pemex)」が今月2日午前5時15分、同油田の近くで火災が発生したことを公表した。

今回の火災は、石油の掘削装置から約150メートルの場所に設置されていたガスパイプの破裂が原因とみられている。そして海中に漏れ出したガスは、海面で大きな円を描くように激しく炎を上げた。

消火作業の様子がカメラで捉えられており、3隻の船が出動して炎を取り囲むようにして水を噴射している様子が映っていた。炎の円があまりにも大きく、噴射した水が届かず苦戦しているようだ。

海の上で炎が燃えるという不思議な現象を捉えたこの映像がTwitterに投稿されると、今月4日の時点で再生回数は6000万回を超え、ネット上は騒然となった。

「海の上で火事だって!?」
「映画の撮影みたいだ」
「地獄への入り口か?」
「まさに海水が沸騰しているじゃないか!」
「CGの映像かと思った」

同社は「窒素を使用して消火を試みた」と明かしており、火災発生から約5時間後の午前10時30分には完全に鎮火し、この火災でケガ人は出ていないと発表している。

炎が上がった原因については現在も調査が続いているが、現時点で同社は「稼働していた生産設備のターボ機械が、雷雨を伴う嵐の影響を受けた」と報告した。

またメキシコの石油安全規制機関の代表であるアンヘル・カリザレスさん(Angel Carrizales)は、今回の事故について自身のTwitterに「今回の事故で石油の流出は確認されていない」という旨の投稿をしているが、火災の原因については言及していない。

このツイートに対し、多くの人が「じゃあなんで火災が発生しているんだ!?」「石油が原因でないのなら、海で燃えてるアレは何なの? 異次元への扉?」「石油ではなくガスが海面に漏れ出ているんだよ。こんな無知な人がトップでいいのか?」など無責任な発言に怒りの声が相次いだ。

ちなみに同社が大規模な事故を起こしたのは、今回が初めてではない。2013年にはメキシコシティにある本社にて、地下にガスが溜まったことが原因でガス爆発が起き、37名の犠牲者が出た。また2015年にはメキシコ湾にある別の油田で爆発が発生し4人が死亡、16人の負傷者を出し、300人以上に避難勧告が出された。

石油会社が起こした度重なる事故に多くの人は不信感を抱いており、ネット上では「また環境破壊が起こっているよ」「海洋生物への影響が心配だ」「そろそろ石油を使うことは止めるべき」といった声もあがっている。

画像は『Manuel Lopez San Martin 2021年7月3日付Twitter「Sobre el incendio registrado en aguas del Golfo de México, en la Sonda de Campeche, a unos metros de la plataforma Ku-Charly」』『Brian Kahn 2021年7月3日付Twitter「The Gulf of Mexico is literally on fire because a pipeline ruptured」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)