中国の動画サイトはこのほど、「日本についてどう思うか」というテーマのもとに、複数の中国人で座談会を行っている様子を動画で配信した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国では反日感情が根強く存在することは広く知られているが、実際のところ1人1人の中国人は日本にどのような印象を抱いているだろうか。中国の動画サイト・西瓜視頻はこのほど、「日本についてどう思うか」というテーマのもとに、複数の中国人で座談会を行っている様子を動画で配信した。

 この動画は国際情勢について詳しい中国人が制作し、インタビュアーを務めている。座談会では聞き手も話し手もともに中国人であり、中国国内向けに配信される動画であることから、あくまでも日本に対する率直な意見として受け止めることができるだろう。

 動画では、「中国人は日本という国に対して、複雑な感情を抱いている」としながらも、日本には学ぶべき長所も多いことは認めるべきだという論調で座談会が行われている様子が映っている。特に、訪日経験のある中国人は「複雑な感情」を持ちつつも、日本の長所を目の当たりにして気持ちが変わるということもあるようだ。

 座談会では、最初に参加者の中国人それぞれに「日本にどんな印象を持っているか」と尋ね、率直な意見を述べるように促したところ、日本を訪れたことがあるという弁護士の中国人は「清潔というイメージが強く残っている」と答えた。過去に名古屋を旅行した際、「道路にはごみ1つ落ちておらず、清潔さのあまり道が光り輝いている」ように感じたそうだ。

 そして、大学職員という中国人も訪日経験があるそうで、やはり日本に対して否定的な感情より「旅行中の快適な思い出」が強く残っていると伝えている。この中国人は幼児を連れて何度も日本を旅行で訪れた経験があるそうで、日本は各所に母親と幼児のための授乳室が設置されていたり、冬の自動販売機に「温かい飲み物」が販売されているなど、こうしたちょっとした点に日本の快適さや便利さを実感してきたと紹介した。

 また、訪日経験があるという別の中国人も、日本はたとえ小さなホテルであったとしても快適に過ごすために必要な「すべてのものがそろっていて、驚いた」と述べたほか、日本滞在中には「まだ幼少の子どもが独りで地下鉄に乗っているのを見て驚いた」と振り返りつつ、この時に「日本の治安の良さ」を感じ取ったと振り返った。中国では児童誘拐が多発しており、子どもが1人で出かけるなど考えられないことであるため、驚くのも無理はないだろう。

 反日感情が残る中国だが、日本に対しては意外と冷静な見方をしている中国人も多く、特に訪日経験のある人はその傾向が顕著であることが見て取れた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)