テニスでサーブがリターンされた時のポイント獲得率、第1位は?
テニスでは、打たれたサーブの約30%は返ってこない。文句のつけようのないサービスエースもあれば、リターンでのうっかりミスも含めてのことだ。逆に言えば、サーブしたボールの7割は返ってくる。それでは、サーブがリターンされてもポイントを取る確率が高い選手は誰だろうか。
2020年末のATPトップ10選手が放った88,640本のファーストサーブとセカンドサーブを、ATPが分析。サーブがリターンされてもポイントを取る確率が最も高いのは、ラファエル・ナダル(スペイン)の58.5%だった。分析の元になったデータは、2011年以降のマスターズ1000大会、「Nitto ATPファイナルズ」、2019年のATP500とATP250の数大会と2020年「ATPカップ」から採られている。
トップ10選手の平均は54.6%なので、ナダルはほぼ4%も平均より優っている。ナダル以外で平均を超えているのはロジャー・フェデラー(スイス)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ステファノス・チチパス(ギリシャ)の3人だけだ。フェデラーとジョコビッチは共に57.3%で同率2位。
自らのサーブがリターンされた時のポイント取得率
1. ラファエル・ナダル(スペイン) 58.5%
T2.ロジャー・フェデラー(スイス) 57.3%
T2.ノバク・ジョコビッチ(セルビア) 57.3%
4.ステファノス・チチパス(ギリシャ) 55.2%
5.ダニール・メドベージェフ(ロシア) 54.5%
6.ドミニク・ティーム(オーストリア) 53.2%
7.アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ) 52.8%
8.ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン) 52.7%
9.アンドレイ・ルブレフ(ロシア) 52.5%
10.マッテオ・ベレッティーニ(イタリア) 52.4%
平均:54.6%
ファーストサーブがリターンされた場合のポイント取得率
サーブをファーストサーブに限った場合は、フェデラーが61.9%でトップに躍り出る。だがこれは、エースや相手のリターンミスを含めたフェデラーのファーストサーブポイント取得率77.6%と比較すると、驚くほど差がある。
ファーストサーブをリターンされた場合のポイント取得率トップ3は以下の通り。
1. フェデラー 61.9%
2. チチパス 61.3%
3. ナダル 61.2%
トップ10選手がファーストサーブをリターンされた時のポイント取得率の平均は59.9%。彼らのサーブポイントを含めたファーストサーブポイント取得率の平均は、74.5%である。
セカンドサーブがリターンされた場合のポイント取得率
サーブをセカンドサーブに限るとナダルがトップで、この場合にポイント取得率が50%を超えたのはわずか3人だ。
1. ナダル 53.5%
2. ジョコビッチ 51.7%
3. フェデラー 51.4%
トップ10選手の平均は49.5%。つまり彼らはセカンドサーブをリターンされても、ほぼ5割のポイントを取っているということだ。
ナダルの強さの秘密の一つがこの分析でも浮かび上がる。若かった頃よりはるかに上達したとはいえ、ナダルはフェデラーやジョコビッチほどエースを決められる強力なファーストサーブを持たない。その代わりナダルは、サーブ+1打でコートのどこからでも強烈なフォアハンドを決めようと狙う。あるいは厳しいリターンが返ってきても、その粘りと守備力でラリーを続けることができるのだ。
(テニスデイリー編集部)
※写真は左からジョコビッチ、ナダル、フェデラー
(Getty Images)