世界各国にはさまざまな「縁起の悪い数字」が存在しており、日常生活の中でその数字に出くわすと嫌な気持ちになったり、できるだけその数字を避けるように行動したりする人もいます。そんな「世界各国に存在する縁起の悪い数字」について解説するムービーが、YouTubeで公開されています。

Why 4, 13, 17, 39 & 666 Are the World's Spookiest Numbers - YouTube

さまざまな数字が世界各国で「縁起の悪い数字」「不吉な数字」とされています。



たとえば西欧の文化圏では「13」



イタリアでは「17」



東アジアでは「4」



アフガニスタンでは「39」



世界の広い範囲では「666」など、さまざまな数字が嫌われていますが、特定の数字を嫌う理由は文化によって違います。



「4」を嫌うのは中国・韓国・日本・シンガポール・マレーシアなどの国々です。



中国語・韓国語・日本語において、「4」を意味するのは「si」という発音ですが……



この「si」は「死」の発音とほぼ同じであるため、中国や韓国、日本では「4」という数字は「不吉なもの」と見なされています。



中国系移民が多いシンガポールやマレーシアといった国々でも、同様の理由で「4」が嫌われています。



「死」と通じているため、特に病院では「4」の付く部屋番号が飛ばされる場合も多く……



香港では、40階〜49階が全て存在しない高層ビルもあるそうです。



また、広東語では「14」が「実死(確かに死ぬ)」に、「24」が「易死(簡単に死ぬ)」に通じるため避けられているとのこと。日本でも「42」が「死に」、「49」が「死苦」に通じるため避けられがちであり、病院行きのバスに付けられたナンバープレートが「42」で始まっていることが物議を醸した事例があるほか、プロ野球選手の背番号でも「49」は外国人選手が付けることがほとんどとなっています。



中国では「4」が付く番地の地価が低い傾向もあるそうで……



オリンピック会場の誘致においても、「4」が敬遠されたとささやかれているとのこと。



中国では2008年に北京オリンピックが開催されましたが、2000年オリンピックについても誘致活動を行っていました。しかし、最後が「4」で終わる2004年オリンピックの誘致は行われず、一つ飛ばして2008年オリンピックの誘致を行いました。この理由に一つにとして、「4」を嫌う中国の文化があったのではないかといわれているそうです。



「13」という数字は一般的に西欧諸国で嫌われており、「13日の金曜日」をはじめとする映画でも不吉の象徴として扱われています。



13という数字が嫌われる理由としてはさまざまな仮説がありますが、その中でも有名なのが「イエス・キリストが処刑される前夜の最後の晩餐において、イエスを裏切ったユダが13番目に席に着いた」というもの。



また、フランス王フィリップ4世がテンプル騎士団の壊滅を図ってメンバーの一斉逮捕を行ったのが1307年10月13日の金曜日だったといわれており、この点からも「13日の金曜日」が不吉なものと考えられているそうです。



「13」は特にアメリカで不吉とされており、「13」を不吉な数字であると信じているアメリカ人は1700万人〜2100万人に達するという調査結果もあるとのこと。



今回のムービーは、アメリカ人が「13」を不吉だと信じるのも無理はないと指摘しています。たとえば、アポロ13号は1970年4月11日の13時13分に打ち上げられましたが、2日後の4月13日に酸素タンクが爆発するアクシデントに見舞われます。なんとかアポロ13号は地球に帰還したものの、アメリカ人はこうした事例を思い浮かべ、「13は不吉な数字だ」と考えやすい可能性があります。



イタリアでは「17」という数字が非常に古くから嫌われているそうです。



なんと古代ギリシアの数学者であるピタゴラスも「17」という数字を嫌っていたといわれています。



ピタゴラスが「17」を嫌ったのは、4×4の結果である「16」と、3×6の結果である「18」の間に「17」が位置するという理由だったとのこと。



加えて、旧約聖書に記された大洪水も、ある月の17日に起きたといわれています。



さらに、墓石に刻まれる「VIXI(ラテン語で『私は生きることを終えた』、つまり『私は死んだ』を意味する)」という文字を入れ替えると……



ローマ数字の「XVII(17)」になるなど、さまざまな理由からイタリアでは「17」が嫌われているそうです。



イタリアでは「17」が付く部屋番号や階数が避けられることがあるほか、イタリアの航空会社であるアリタリア航空には「17列」の客席が存在しないとのこと。



アフガニスタンでは「39」という数字が嫌われていますが、「39」が嫌われるようになった明確な理由はわかっていません。



しかし、今や「39」はポン引きや売春婦を連想させる数字と見なされているとのこと。一説によると、「アフガニスタンのヘラートという都市にいたポン引きが「39」が付いたナンバープレートの車に乗っていたから」ともささやかれています。



また、アフガニスタンなどで話されているパシュトー語では、「39」の発音がポン引きの隠語である「死んだ牛」に似ていることが、「39」を嫌う考えが定着した理由の一つだとの説もあるそうです。



アフガニスタンではナンバープレートに「39」が使われた車の買い手がつかないといった問題も起きており、自動車販売業にとって「39」を嫌う風潮は悩みの種になっているとのこと。



アフガニスタン政府はイラン暦(ペルシャ暦)で「1390年」に当たる2011年から「39」で始まるナンバープレートの交付を始めましたが、多くのドライバーは「39」から始まるナンバープレートを嫌がり、2011年度に交付されるナンバープレートを見送るために罰金を払う方を選んだそうです。



また、議会選挙で「39番目の候補者」になった人物が嫌がらせを受け、候補者のボディガードが嫌がらせをした市民を射殺する事件も発生するなど、アフガニスタン人の「39」嫌いはかなり強固なものになっています。



こうした忌み嫌われる数字の中でも、世界中で最も嫌われている数字が「666」です。



これは新約聖書のヨハネの黙示録に記述されている「獣の数字」とされるものであり、「悪魔の数字」ともいわれています。



ヨハネの黙示録には、「ここに知恵が必要である。賢い人は、獣の数字にどのような意味があるかを考えるがよい。数字は人間を指している。そして、数字は666である。」と記されており、長年にわたって「666」は悪魔や反キリスト教徒など、さまざまなものと関連付けられてきました。



数学者によって発見された「最も不吉な素数」とされているのが、「1000000000000066600000000000001」という数字です。中央に「666」が位置し、左右を「13」個の「0」に囲まれたこの数字の合計ケタ数「31」をひっくり返すと……



「13」になります。この数字は七つの大罪における「怠惰」に対応する悪魔のベルフェゴールに由来して、ベルフェゴール素数と呼ばれています



ちなみに、中国ではインターネットで検索することができない数字として「8964」がありますが……



これは1989年6月4日に起きた天安門事件を示しているためです。