写真はイメージです(以下同じ)
 結婚して何年かたち、子どもが小さかったりすると妻は夫に不満をもつようになっていく。どうしても妻の家事育児への負担が大きくなるからだ。妻は自分の気持ちを平静に保つために「夫婦なんて、どうせ冷めていくもの」「夫に期待するから裏切られる。期待しなければいい」と思いがち。

 もちろん期待しなければ裏切られることもないので、「夫をあきらめてしまうのが、家庭をうまく回すコツ」と言う妻たちもいる。だが、あきらめたくてもあきらめきれない、そんな思いを抱いていたら奇跡のようなことが起こることもあるようだ。

◆急に食事を用意させて「おかず、これだけ?」

 レイコさん(40歳)が2歳年上の彼と結婚してから11年がたつ。ふたりの子は10歳と8歳となった。

「共働きでがんばってきたけど、やはり私の負担は大きかった。夫がちゃんとやったのはゴミ出しとお風呂掃除くらい。いつも夫にイライラしながら生活してきました。いっそ何も期待しなければいいんだと思ったのは3年ほど前ですね。会話は必要最低限にする、ほとんどの連絡はLINEで。夫の帰宅時間に関係なく、私は子どもたちと寝てしまう。そんな生活が続きました。気づいたら3ヶ月も夫とろくに口をきいてなかったということも多々ありました」

 レイコさんは徐々に学んでいったのだ。「夫にかまうから腹が立つ」のだと。幼児と乳飲み子を抱えていたころ、夫が遅くに帰宅した日があった。夕飯はいらないと言っていたのに「何か食べたい」と言いだし、彼女は魚を焼き、サラダを作って出した。すると夫は「おかず、これだけ?」とつぶやいた。そもそも夕飯はいらないと言ったのだ。

「午前0時を回って帰宅して、やっぱり何か食べたいと言うから作ったのに、そんな言いぐさはないでしょうと思いましたね。私は翌朝、6時起きで家事をこなして仕事に行くのに、それ以上のことはできない。そんなことが何度かあって、夫と関わらないほうがいいと思うようになったんです」

◆お金を出し合い、子どもを育てるだけの“仮面夫婦”に

 関わらなければイライラすることもない。だから天井の電気が切れれば脚立を出して自分で替えたし、実家の父が入院してもそれを夫には伝えなかった。お見舞いに行くことを強要するようでいやだったのだ。それは言い換えれば、夫に借りを作ることになるから。

「父の看護で母もダウンしてしまったので、父が退院するときは私が仕事を休んで病院に行きました。いつのまにか夫に頼らなくても生活できるようになっていたんです」

 お互いに必要なお金を出し合って、家計をまかない、子どもを育てていく。ただし子どもの前では大人の分別としていがみあうのはやめる。話し合ったわけでもないのに、そんな家庭が形成されていた。
「子どもの学校行事とか地域の行事などには夫婦で参加していましたよ。大げんかしたわけではなく、ただ、私は夫に期待しなくなっただけ。夫は私の不穏な雰囲気を感じながらも、夫婦で出席すべきときはするという形をとっていました。仮面夫婦ですよね、完全に」

 そんな状態が数年間、続いていた。

◆毎週土曜は、夫以外の男性と会うように

 そんな生活をしていたらストレスがたまる。レイコさんの心に隙ができた。昨年の春のこと、気になる男性ができてしまった。

「もちろん恋などする気はなかった。だけど仕事関係で知り合った8歳年上の男性と、仕事の延長で食事に行くことになってしまったんです。どうにもならなくてちょうどそのころ近所に住むようになった姉に子どもたちのことを頼みました。子どもたちのことを気にしつつも、彼と過ごした時間が楽しかったんですよ。それ以降、プライベートでも彼との時間をなんとか作り出そうと必死になっている自分がいました」