Wikipediaが2020年9月23日に、「10年ぶりにデザインを変更する」ことを発表しました。その理由についてWikipediaは「サイトの機能が複雑すぎて新規ユーザーに分かりにくいため」と説明しています。

Wikipedia is getting a new look for the first time in 10 years. Here’s why. - Diff

https://diff.wikimedia.org/2020/09/23/wikipedia-is-getting-a-new-look-for-the-first-time-in-10-years-heres-why/

Wikipediaを運営しているウィキメディア財団でプロダクトマネージャーを務めるオルガ・バシレバ氏は、9月23日に公式ブログを更新し、「過去20年間、Wikipediaは世界中で広く利用されている重要な知識の源であり続けています。その間に、Wikipediaのサイトは大幅に拡張され、300を超える言語で書かれた5300万もの記事と、比類のない量の信頼できる情報を保有するに至りました」と述べました。

一方でバシレバ氏は、「過去10年間、デスクトップ版Wikipediaやウィキメディア財団の他のプロジェクトのデザインは実質的に変化しておらず、サイトのナビゲーションの一部は読者や編集者にとって不便で、戸惑ってしまうような状態のままとなっています」と指摘。特に新規ユーザーのために、Wikipediaのデザインを変更する必要があるとの見方を示しました。

Wikipediaを誰でも直観的に使える分かりやすいサイトにするため、ウィキメディア財団は2019年5月からインターフェースを強化するための検討を重ねてきたとのこと。主な変更点は以下のとおりです。

◆1:ロゴ

ページ左上のロゴが小さくなります。



◆2:サイドバー

画面左側のメニューバーが格納可能になります。



◆3:検索欄の移動

検索欄が画面右上から左上に移動します。



◆4:言語の切り替えボタン

これまで他言語版へは左側サイドバー下部のリンクから移動していましたが、切り替えボタンが追加されます。



◆5:ページ上部の固定ヘッダー

検索欄やログインへのリンクがあるヘッダーが上部に固定されます。



◆6:検索機能の改善

検索結果にサムネイルが表示されるようになります。



◆7:ユーザーメニューの改善

これまで横並びになっていたユーザーメニューがプルダウン式になります。



◆8:目次機能の拡張

記事の目次がある場合、記事を読んでいる途中でも目次を簡単に開けるようになります。



バシレバ氏によると、これらの変更は段階的に実施される予定で、計画通りに進めばWikipediaが設立から20周年の節目を迎える2021年末までに全ての変更がWikipediaの標準仕様になるとのことです。なお、上記の変更はデスクトップ版Wikipediaについてのもので、バシレバ氏はモバイル版のデザインについては言及しませんでした。