●豪華メンバーとコントも「資格があるのか」

フジテレビが久々にゴールデンタイムで立ち上げる大型コント特番『ただ今、コント中。』(29日21:00〜23:10)。サンドウィッチマン、バイきんぐ、かまいたちというお笑い賞レースのチャンピオンたちが名を連ねるメインメンバーの中に、紅一点ピンで抜てきされたのが、3時のヒロイン・福田麻貴だ。

昨年12月に『女芸人No.1決定戦 THE W』で優勝してから、今年上半期の番組出演本数が前年同期から約13倍の146本(ニホンモニター調べ)でブレイクタレント1位に輝くなど、破竹の勢いを見せる3時のヒロインだが、このトリオを引っ張る“頭脳”とも言える福田は、現状をどう捉えているのか。“お笑い第7世代”と呼ばれることや、ライバル芸人などについても話してくれた――。

3時のヒロイン・福田麻貴


○■まだまだ“今が旬”の認識

昨年末の『THE W』優勝後、一気にブレイクを果たしたが、「『すごいね』『毎日見るね』って言われるんですけど、自分的には『そんなに仕事してんねや』っていう感じなんです」と、実感がわいていないことを吐露する福田。

『THE W』優勝の副賞である日テレ11番組の出演権で一気に露出し、以前のインタビューでは「そこから次につなげたい」と目標を掲げていたが、着実に他局にも出演機会が増え、「思っていたよりも次につなげられたかなと思います」と手応え。それでも、「“今が旬”というのがあると思うんです。あとから『旬なだけで呼ばれてたんやな』って気づいても遅いんで、実力をもっとつけていかないとなと思います」と謙虚だ。

今回のコント特番も「自分の力量で、こんな豪華なメンバーの方たちと仕事する資格があるのかなって思っちゃうんです。旬なだけで呼ばれて力量がなかったとしたら嫌なので、頑張らないとって思います」と危機意識を持ち、「本当にちゃんと考えて毎日仕事していかないといけないと思うんです。今だけで終わってしまったら、本当に恐いので」と気を引き締める。

(左から)サンドウィッチマン・富澤たけし、福田麻貴、かまいたち・山内健司=『ただ今、コント中。』より (C)フジテレビ


○■お笑い以外の仕事にも意欲

この発言からは一見ネガティブに思えてしまうが、「すごくポジティブです。夢は大きいから、まだ全然駆け出しだぞって自分を戒めている感じですね。今の状況はすごくうれしいけど、私はもっと上に行きたいと思ってます(笑)」と野心は強い。

さらに、「最近はお笑い以外でも、情報番組のコメンテーターをやらせてもらったり、ちょいちょいドラマに出させてもらったり、コラムの仕事とか、いろいろ話が舞い込んできてるんです。プレッシャーがすごいんですけど、そういうところでもチャンスをつかみたいと思ってます」と意欲を示した。

●ブレイク最中のコロナ禍「修復する時間に」

(左から)ゆめっち、福田麻貴、かなで


順風満帆に見える2020年だが、「私も相方たちもそうなんですけど、ちょっと臆病者で、その時のメンタルとかでちょっと爪痕を残せなかったときは『ヤバいな…』と思います。でも、萎縮したまま終わるのが嫌なので、メンタルを鍛えて頑張らないとっていう感じです」と反省点も。

多忙もあって、3人でじっくり反省会をすることはなかったそうだが、コロナ禍で時間に余裕ができたことで、「最近、結構長めの反省会をして、改めて今足りてない部分とか、悪いところとかを強化できるように、チームミーティングみたいな感じで話しました」と明かす。

ブレイクを果たしてどんどん露出を増やしていった矢先に、襲いかかったコロナ禍。「最悪の事態で、早く収束してほしいです」と言いながら、心に余裕をもたせる良い機会になったとも捉えている。

「仕事でうまくいかなかったり、落ち込んだりすることがあったときに、それを修復する時間がないまま仕事をしてたら、たぶん成長できなかっただろうと思うんです。ちょっとスケジュールが緩やかになって、心を元気にできるようになったので、コロナがあって『仕事もったいなかったな』とは思うんですけど、その分冷静に仕事することができたかなとも思います」

○■“お笑い第7世代”は喜びとプレッシャー

バラエティ界を席巻する「お笑い第7世代」と呼ばれることについては、「最初は『該当すんねやー』っていう喜びとプレッシャーの両方があったんですけど、今は“第7世代”と言われることで旬が長引いているというのがあると思うので、この間にスキルをつけようと思っています」と前向きに受け止める。

また、最近めきめきと頭角を現している、同じ女性グループのぼる塾については、「似てるってよく言われるんです。テレビをそんなに見ていないと、同じものと思って見分けがついていない人もいるんですよ。その上、うちらにはない面白さを持っているという焦りがありますが、刺激にもなりますね」と、ライバルの印象を打ち明けた。

●大きなピンの仕事「今までなら相方だった」

『ただ今、コント中。』より (C)フジテレビ


今後の目標を聞くと、即答で出た言葉が「3時のヒロインを大きくする」。「もっと活躍したいし、もっと何でもできるトリオになりたいというのが一番で、冠番組もめっちゃほしいですし、MCもしてみたいです」と希望は尽きない。

さらに、自分たちのホームグラウンドとも言える、若手芸人のお笑い番組『ウケメン』(フジテレビ、月1回放送)の週1レギュラー化まで、「これが全部かなったら最高ですね!」と思いを巡らせながら、目標に向けて「後退はしていない。前進してると思います」と胸を高鳴らせた。

その大きなステップとなり得るのが、今回のコント特番『ただ今、コント中。』だ。このメインメンバーにピンで参加することに、「相方のかなでとゆめっちは、インパクトがあってキャラが強いので、今までだったらこういうところに呼ばれるのは絶対相方たちだったんですけど、私を選んでくださったということに、すごくビックリしてます」と驚きを隠せない。

それでも、『ウケメン』で月1回スタジオコントを作っている経験は大きく、「やってて本当に良かったです。それがなかったら、今日来て急にドライやってリハやって本番やるなんて、マジで無理だったと思います」と助けられた様子。

今回はゴールデンの特番ということで「規模が全然違いました」と圧倒されながらも、「これで自分も成長できそうです。『ウケメン』にも還元できそうな感じがあります」と、やはりホームのレベルアップが頭から離れないようだ。

『ウケメン』のメンバーたち


○■個々の仕事で「3時のヒロインを大きく」

自身のピンでの出演にあたり、かなで&ゆめっちの心配は「全くしてないです。あの人たちは『お休みラッキー!』みたいな感じなので(笑)」と言いつつ、相方たちのピンでの活躍にも期待を寄せる福田。

「ゆめっちは外出自粛中に家ロケを結構やってましたし、かなでも演技とかで頑張ってくれているので、ピンの仕事でめちゃめちゃ活躍してくれたらいいなと思ってます。私を含めてそれぞれがスキルを上げていかないと、3時のヒロインが大きくならないと思うので」と、常にトリオの成長を見据えている。



●福田麻貴1988年生まれ、大阪府出身。関西大学卒業。よしもとのアイドルグループ・つぼみ(現・つぼみ大革命)を卒業後、17年にかなで、ゆめっちとともにお笑いトリオ・3時のヒロインを結成。『女芸人No.1決定戦 THE W 2019』の優勝でブレイクを果たし、“お笑い第7世代”として活躍する。