暮らしのなかで感じる、美や健康に関するちょっとしたお悩みに、医師が答えます。

今回は「しっかり寝ているはずなのに、目の下のクマが消えなくて困っている」という悩みに答えてもらいました。


クマの種類は3パターンあります

目の下のクマが取れない…じつはクマには3種類あります



<読者のお悩み>
目が落ちくぼんできたせいか、しっかり寝てもクマが消えません。クマを取る方法があったら教えてくさだい。(由美子さん・44歳)

●クマには3タイプあり。それぞれのタイプに合ったお手入れ法で解消を

クマには、じつは3タイプあり、原因もケア方法も違うんです。まずは自分がどのタイプか、イラストを参考にチェックしてみましょう。


目尻を横に引っぱると、クマの色が薄くなるのは「青グマ」。これは血行不良が原因です。睡眠不足や冷えなどで、血流が悪くなって起こります。対策は、目頭やこめかみ、目の下にあるツボを、押したりマッサージして血流をよくすること。蒸しタオルを当てて血行をよくするのもいいでしょう。比較的すぐに改善していきます。

目尻を横に引っぱっても色の変化がなければ「茶グマ」。皮膚をこすりすぎたり紫外線を浴びることで色素沈着が起き、目元がくすんで茶色くなるのが原因です。日やけで色素沈着が進むので、しっかりUV対策を。同時にメラニンの排出を促す効果のある美白アイクリームでお手入れを。ただ改善には数年かかることもあります。

上を向くとクマの色が薄くなるのは、加齢や皮膚のたるみが原因の「黒クマ」。保湿やエイジングケアで、目元のたるみをストップさせましょう。頭皮マッサージもいいですね。頭皮には、老化予防効果のあるツボがたくさん存在します。また目の周りにある「眼輪筋(がんりんきん)」という筋肉が弱ると目元がたるむので、眼だけを上下左右に動かす体操で、目元を刺激するのも効果的。レチノール入りのアイクリームも効果的ですが、改善には時間がかかります。

クマは複合的に出ることもあります。お手入れでもクマが改善しないときは、クリニックへ相談を。

<イラスト/野田節美 取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【高瀬聡子先生】


ウォブクリニック中目黒総院長。東京慈恵会医科大学卒業後、同大学に皮膚科医として勤務。2007年にウォブクリニックを開設。専門は皮膚科と美容皮膚科。丁寧でわかりやすいカウンセリングが人気。