(株)愛トラベル(TDB企業コード:620137082、資本金5500万円、広島県広島市安佐南区川内6-44-32、代表南波好紀氏、従業員22名)は、3月10日に広島地裁へ自己破産を申請した。

 申請代理人は田口靖晃弁護士(広島県広島市中区紙屋町2-2-2 紙屋町ビル8階、弁護士法人エムパートナーズ広島支所紙屋町綜合法律事務所、電話082-258-5481)。

 当社は、1998年(平成10年)6月に設立された国内旅行業者。大型観光バスの導入を進めて、自社企画した中国・四国エリアの観光名所を巡る日帰りバスツアーを主体に事業を展開、広島市と福山市の2拠点で積極的な格安プランの広告宣伝、営業活動を行い、2007年5月期には13億円を上回る年売上高を計上していた。

 しかし、近年は同業者との価格競争の激化や節約志向の高まりなどで最低募集定員すれすれの集客しかできないツアーなどもあり、年売上高は10億円を下回る状況が続いていた。また、2018年夏に発生した西日本豪雨災害の影響を受けて売り上げが大きく減少し、採算性も悪化していた。このため、割安感のあるツアーを企画して立て直しを図っていたが、業況は改善せず厳しい資金繰りが続くなか、コロナウイルス感染症の影響で予定したツアーの中止が相次いだため、経営継続が不可能となり、近く広島地裁へ自己破産申請する旨の告示書を本店事務所に掲示して事業を停止していた。

 負債は約3億円。

 なお、新型コロナウイルスの影響を受けて法的申請をしたケースは中国地方ではじめて。