大手同業との競合激化、葬儀簡素化などで売り上げは伸び悩んでいた

 北日本物産(株)(TDB企業コード:340060923、資本金8862万円、新潟県燕市物流センター2-30、代表金子繁雄氏、従業員42名)は、3月10日付で事業を停止した。今後は新潟地裁三条支部へ自己破産を申請する予定。

 当社は、1927年(昭和2年)3月創業、48年(昭和23年)4月に法人化した。受取人がカタログの中から自由に商品を選択できるカタログチョイス事業を主力に、物販部門として調理油、調味料、乾麺、コーヒーなどの食品ギフト(売上比率約40%)をはじめ、家電、寝具・衣料品、洋食器、日用雑貨等を取り扱い、新潟県の本店のほか、東京、名古屋、大阪、福岡に営業拠点を設けていた。ギフト業者としての売上規模は全国的にも上位に位置付けられ、2008年3月期には年売上高約75億3700万円を計上していた。

 しかし、近年は、主力のカタログチョイス部門は、大手同業との競合激化や、仏事の簡素化などの影響を受け売上が伸び悩んだほか、物販部門では、インターネット通販業者や量販店向けに新規営業を展開したものの奏功せず、2019年3月期の年売上高は約34億3900万円に低迷、約4900万円の最終赤字を計上していた。更にこの間、主力得意先であった(株)全通(東京都江東区)が2018年9月に東京地裁に自己破産を申請(同年10月3日に破産手続き開始決定)する事態が発生。多額の不良債権が発生し、取引先の信用不安を煽ることとなり、経営環境が悪化していた。

 こうしたなか、スポンサー候補を探し、別会社を設立して事業承継させる計画を立てていたものの破談に終わり、3月10日の決済が不調に終わったことから今回の事態となった。

 負債は2019年9月末時点で約18億3000万円。