TOKYO SMARTCAST(株)(TDB企業コード:744015051、資本金3億5500万円、東京都千代田区麹町1-7、代表清算人武内英人氏)は、2月27日に東京地裁より特別清算開始命令を受けた。

 当社は、2015年(平成27年)1月に設立された。アナログ放送終了後のVHF−Low帯の電波を用いて映像、音声、データ放送などの多様なサービスを地域ごとに配信、提供するデジタル放送として2016年3月にサービスを開始した「i−dio(アイディオ)」のコンテンツプロバイダーとして、基幹となる「TS ONEチャンネル」の運営を行っていた。また、日中平和友好条約締結40周年の民間共同事業として、上海人気ラジオ局との相互放送を2018年4月に開始したほか、訪日中国人向けの番組「八六東京」も展開していた。
 
 親会社であるエフエム東京がリスナーの減少が続くラジオ業界の事業領域拡大を目指し、ラジオの一斉同報性とインターネットの双方向性を融合させようとした戦略的事業であり、2019年3月期には年収入高約4億600万円を計上していたが、赤字決算が続いていた。そうしたなか、過年度決算で当社を連結対象範囲に含めなかった判断が、2019年8月の第三者委員会による調査報告書で会計上、内部統制上の問題行為とされた。同年9月末までにすべてのサービスを終了、10月7日の株主総会で解散を決議し、今回の措置となった。

 負債は2019年3月期末時点で約6億4900万円。