レント・ザ・ランウェイ(Rent the Runway)は1月第4週、ノードストローム(Nordstrom)と提携し、新サービスのRTRリバイブ(RTR Revive)のローンチを発表した。このサービスではノードストローム・ラック(Nordstrom Rack)の24店舗で、レント・ザ・ランウェイで着られている衣類を購入(またはレンタル)できる。いわば店舗内で再販を行うサービスだ。

今回のみならず、両社は近年たびたびコラボを行ってきた。昨年ノードストロームは、カリフォルニア州の5店舗でレント・ザ・ランウェイの衣類の受け取りと返却を受け付けるサービスを展開。11月にはこのサービスの延長と、さらに全米24店舗に拡大することが決定した。再販市場が注目を集めるなか、デパート各社も同分野に進出しつつある。

確固たる地位を築いた新業態

再販やレンタルモデルはいまや高い人気を誇る。もはや目新しさを求めるカスタマーだけのものでなく、ファッションや小売分野において確固たる地位を占めているのだ。いまだ再販やレンタルサービスを提供している企業と争うブランドもあるなかで、デパート各社はこれを絶好のチャンスと見ているようだ。

靴類を専門に扱うメディア企業のソールサプライヤー(Sole Supplier)の共同創業者でありCEOのジョージ・サリバン氏は「昨年あたりから『長いものには巻かれろ』的な動きがでてきた」と指摘する。「ブランドや小売企業による新たな提携や投資が次々に発表された。再販市場に一枚噛んで、収益と管理を行おうという試みだ」。

本記事の発表までにレント・ザ・ランウェイからのコメントは得られなかった。

百貨店と再販業者の互恵関係

現在、米国の大手デパートの多くは、再販やレンタル分野になんらかの関わりを持っている。メイシーズ(Macy’s)は昨年8月、スレッドアップ(ThredUp)と提携して40店舗で中古衣類の販売を開始した。レンタル企業のルトート(Le Tote)は、昨年ロードアンドテイラー(Lord & Taylor)を買収し、ロードアンドテイラーの店舗でルトートのレンタル品の受け取りと返品受付を開始した。11月にニューヨークの店舗で開始したこのサービスは、今後数カ月でさらに他店舗へと拡大される予定だ。

ニーマン・マーカス(Neiman Marcus)は昨年、再販プラットフォームのファッションファイル(Fashionphile)に投資を行っている。こういった提携は、数年前までは小売企業が見落としていたと思われる互恵関係がある。デパートは人気の再販プラットフォームと提携することで来客数を増やし、カスタマーの獲得につなげられる。
デパートの直面している困難はこれまでもたびたび指摘されてきた。拡大しすぎたことでコストが高騰した反面、売上は徐々に落ちている。店舗数を維持できない状況にあるのだ。だが皮肉なことに、この店舗数の多さという弱点こそが再販企業にとって重要なのだ。再販業界には、実店舗をあまり展開できていない企業が多い。

レント・ザ・ランウェイは返却受付の場所を除けば、5店舗しか展開していない。一方ノードストロームは全米300店舗だ。ノードストロームとの提携は現在、ノードストローム・ラックの限られた数店舗のみが対象となっている。だがレント・ザ・ランウェイとノードストロームがここ数年と同様に今後も関係を強化していけば、非常に多くの店舗でサービス展開できるようになるだろう。

「5年で状況は大きく変わる」

ファッションファイルの創業者サラ・デイビス氏は「ブランド向けに多数の事業を進めている」と語る。「ニーマン・マーカスを通じて当社へバッグを売った場合、10%分のポイントを獲得できる。以前シャネルから購入した製品をニーマンマーカスを通じて当社に売り、その金を使ってその場でシャネル製品をさらに購入するといった話をよく耳にする。ブランドに向けて『2019年に、ニーマン・マーカスはあなたのブランド製品で数百億円の取引を行った』といえる状況だ」と、同氏は語り、次のように述べた。「5年もすれば再販に手をだしていないデパートはなくなると思う。現在は強く反対の立場をとっているデパートですら、当社のような企業の力が必要になるだろう」。

DANNY PARISI(原文 / 訳:SI Japan)