ニキビケアのネット直販企業キュロロジー(Curology)は、潜在顧客にリーチする新たな方法を模索していた。そんな同社がたどり着いた答えは、テレビでもデジタル広告でもなく、ストックフォトのウェブサイトだった。

キュロロジーは2019年4月に12週間の写真キャンペーンを実施した。同社製品を含む100枚近くの写真を、無料の写真サイトのアンスプラッシュ(Unsplash)で宣伝したのだ。写真は最終的に14万8000回ダウンロードされ、同サイト上の表示回数は5700万回にのぼった。コスモポリタン(Cosmopolitan)やBuzzFeedなど、パブリッシャーでも写真は使われた。キュロロジーのCMO、ファビアン・シールバック氏によれば、目的はあまり目立たせず、より潜在意識に訴える広告にあるという。

「キュロロジーをさまざまなライフスタイルに対して露出させていきたい」と、同氏は語る。「当社は試供品を通じてインフルエンサーへ多額の投資を行ってきた。これもまたキュロロジーをブランドとしてオーガニックな方法で露出する方法にほかならない」。

もたらされた予想外の結果

シールバック氏によれば、キュロロジーはもともとコンテンツとして保有していた写真をキャンペーンに使用したという。浴室やスポーツクラブで使われている製品の写真、ショッピングや手洗いしている人の横に製品を映した写真などが紹介された。アンスプラッシュに載せるにあたって、キュロロジーの写真は1枚ごとに異なるキーワードが割り当てられた。たとえば亀の横に置かれたキュロロジーのボトルには、「亀」「動物写真」「爬虫類」といったキーワードが載せられた。

だが、アンスプラッシュの共同創業者でありコミュニティチーフ兼パートナーシップ責任者を務めるステファニー・リベラニ氏によると、アンスプラッシュのチームは、キュロロジーの写真の場合に、より高度なキーワードが適している場合があることを発見したという。たとえばキュロロジーは写真で多様なモデルを採用しており、「自己啓発」や「自信」、「愛」、「多様性」といったこれまでアンスプラッシュではあまり使われてこなかったキーワードを積極的に使用した。リベラニ氏によれば、動物や多様性のタグがつけられた写真が特に良い結果を残したという。

カンターリサーチ(Kantar Research)はアンスプラッシュのユーザー300人に対し、キャンペーンの前後にアンケートを実施した。アンケートではキュロロジーを知っているか、スキンケアを重視しているか、そしてキュロロジー製品を使いたいかを尋ねた。同社のケーススタディーによれば、ユーザーの73%は女性で、平均収入は7万5000ドル(820万円)以上で、25歳から44歳となっている。アンケートの結果を見ると、キャンペーンによってキュロロジーのブランドと商品に対するイメージは変化しており、購入の意志は26%高まり、知名度は23%向上している。

効果は明確に把握できないものの

だが、キュロロジーはこのキャンペーンがどれだけ新規顧客獲得につながったかは明確に把握できていない。写真は数千回のダウンロードに対して数百万回閲覧されているためだ。

「広告に対する否定的な認識を逆転させるやり方だ。必要としている写真が手に入るのだから」と、リベラニ氏は語る。「ブランドがソーシャルのフィードに広告を流したところで何かをもたらしているという印象は与えられないだろうが、これであればコミュニティに質の高い写真という資産を提供できる」。

EMMA SANDLER(原文 / 訳:SI Japan)