アップル純正の防犯カメラも登場?スマートホーム製品にテコ入れのうわさ
アップルが競合他社に遅れを取っているスマートホーム分野にて、存在感を高めるために防犯カメラの開発など多額の投資をしているとの噂が報じられています。HomeKit(アップル製品とホームセキュリティや家電製品を連携させるフレームワーク)市場はここ数年で大幅に成長しているものの、互換性のあるデバイスの数においてはGoogle HomeやアマゾンのAlexaプラットフォームに大きく水をあけられています。

Bloomberg報道によると、アップルはより多くのメーカーがHomeKit対応デバイスを作るよう奨励する方法を検討しており、自らがHomePod以外のスマートホーム製品を発売する可能性もあるとのことです。

こうした新たな取り組みは、昨年AIスタートアップSilk Labsを買収した直後から始まったもの。同社の共同創業者であり、元Mozillaの最高技術責任者であるAndreas Gal氏がチームを率いていると伝えられています。Silk Labsはネット接続デバイスを連携するAIシステムを手がけていただけに、スマートホーム製品メーカーがHomeKitを採用しやすくするソリューションに取り組んでいると推測されます。

さらにアップルは照明やドアロックなどの独自のスマートホーム製品を生産すべきかどうかを検討しているとのこと。その有力な候補の1つが、iOS 13.2の新機能であるHomeKitセキュアビデオ(HomeKit Secure Recording)との相乗効果をもたらす防犯カメラです。HomeKit防犯カメラの捉えた映像はエンド・ツー・エンドの暗号化された方法で、ユーザーのiCloudに自動的にアップロードされるという具合です。

かつてアップルはHomeKit対応デバイスに自社が認証したチップの搭載を必須としていましたが、iOS 11.3以降はソフトウェアベースの認証に切り替えられ、サードパーティが参入する敷居は劇的に下がりました。とはいえ、現在もなお一部のメーカーは、HomeKitの追加にはコストがかかる上に、アップルの認証プロセスが遅いとの不満が上がり続けているとのことです。

アップル唯一のスマートホーム製品であるHomePodは音質の高さが評価されているものの、アマゾンやGoogleの音声アシスタント搭載スピーカーよりも高価なため、売上が伸び悩んでいます。廉価版HomePodが搭載されるとの噂もありましたが、今後はそれ以外の純正デバイスも投入され、スマートホーム分野で巻き返しが図られるのかもしれません。