中国メディアは、和牛について紹介する記事を掲載した。「金持ちしか食べられない美食」だとしている。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本人が牛肉を食するようになったのは明治時代からと、欧米などと比べると比較的最近のことである。しかし、この短い期間に日本人は「和牛」の優れた品種を生み出し、その霜降り肉は外国人にも高く評価されるようになった。中国メディアの今日頭条はこのほど、和牛について紹介する記事を掲載した。「金持ちしか食べられない美食」だとしている。

 記事は、和牛のなかでも「神戸ビーフ」がトップクラスであると紹介。今やその名声は海外にまで及び、国内外で高い人気を誇っていると伝えた。しかし、驚くべきはそのおいしさのみならず、何より「価格が高い」と記事は指摘。1食分と思われる量の神戸ビーフの塊が「約2000元(約3万円)もする」と紹介し、「しかも量が多くない」ため「金持ちしか食べられない」としている。

 中国は、一部の地域を除けば伝統的に牛肉を食べることがあまりなかったが、近年では都市部を中心に牛肉の消費が増大しており、ステーキ店はいつも客でいっぱいだ。こうした牛肉人気を受けてか、日本の和牛にも注目が集まっており、今年7月ごろには、輸出が禁止されている和牛の受精卵が中国に持ち出され、流出しかけていたことが発覚した。中国入国時に見つかったため未遂に終わったからよかったが、こうした事件が起きること自体、中国での和牛人気を示すものと言えるだろう。

 これまでも日本は、農産物の品種が海外に持ち出されて栽培され、さらなる品種改良を加えられて地元の品種にされてしまう問題が発生しており、韓国のイチゴはその代表的な例と言えるだろう。中国人観光客が日本で神戸ビーフを味わう分にはもちろん歓迎だが、和牛がイチゴと同じ轍を踏まないよう、中国を含めた海外への流出を防ぐためのしっかりとした対策は急務と言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)