さあ、いよいよ本日、7月27日は土用の丑の日だ。

やっぱりこの時期になると、ついつい鰻が食べたくなってしまう。

せっかく鰻を食べるなら、押さえておきたい都内の名店をドドンとご紹介!



歴史を感じる看板や囲炉裏など、昔と変わらない江戸情緒が漂う
焼き上がりを待ち、上蓋を開ける瞬間の興奮たるや! 『初小川』

雷門二丁目の一画は、実力店が点在するエリア。『初小川』は、鰻の人気店。

創業は明治40年。築70年の日本家屋は老舗の貫禄が漂い、茶色くすすけた壁に飾られた番付表や芸妓うちわ、天井の片隅には大きな熊手が堂々と鎮座する。

梁や柱にはたくさんの千社札が貼られ、囲炉裏の席も風情たっぷり。こぢんまりとした店内には、小さな小上がり席と、囲炉裏のテーブル席、奥に座敷の個室がひとつある。



七輪の炭火で1枚1枚じっくり丁寧に焼き上げていく。焼き場に立つのが大将ではなく、女将というのも珍しい

そこで焼き場に立つのは、三代目女将の河合一恵さん。

和髪に割烹着という出立ちが様になっていて、まるで古い日本映画のワンシーンのよう。



なんと10匹分の肝を使っているという「きも焼き」。仕入れによって提供できない日もあるため、食べられるかは運次第

厨房から香ばしい匂いが漂ってきたらあと少し。

囲炉裏の前で鰻を待つ、そんな非日常に料理への期待がますます高まっていく。



あっさりとした味わいで、最後まで飽きずにいただける「鰻重(上)」

そしていよいよ、お待ちかねの鰻重が到着。

蓋を開けると、辛口のタレをまとった艶やかな鰻がお目見え。江戸前鰻が入手困難な今、愛知や鹿児島のものを馴染みの問屋から仕入れている。

焼いて蒸して、また焼いて。 身はふっくらで皮目はパリッと手間暇かけて焼き上げる江戸前鰻は、まさに人に笑顔をもたらす口福のご馳走だ。

初代から継ぎ足し続けている甘みを入れない江戸っ子好みの辛口ダレは、さらっとあっさり。そのまま最後まで飽きずにいただける。




“鰻尽くし”という贅沢!極上鰻をダイナミックに堪能 『鰻處 黒長堂』

渋谷の『鰻 季節料理 瓢六亭』を系列に持ち、養鰻場から直接仕入れる鰻をこの道38年の職人が丁寧に焼き上げる。

蒸さずに”地焼き“することで、皮は香ばしく、身はふっくらとした仕上がりに。



卵と鰻の相性がよくわかる「う巻き」。「うざく」や「うなポン」など、鰻料理を網羅したメニューに目移り必至

鰻重やひつまぶしでもその豊かな味わいを楽しめるが、せっかくのご褒美ならば、他店ではお目にかかれない、圧巻のインパクトを誇る土鍋ご飯をオーダーしたい。



うなぎ土鍋ごはん」特上(2人前から。写真は4人前)。鰻の量の違いで価格が変動。養殖の鰻は静岡、徳島、鹿児島など。天然の国産鰻も順次入荷。養殖と天然の食べ比べコースも用意している

運ばれてきた鍋の蓋をあけると一面に鰻が敷き詰められ、歓声が上がるほど。

串焼きや一品も充実しているほか、珍しい「鰻のしゃぶしゃぶ」もあり。まさに、鰻好きにとっての天国といえる。


どうしても鰻が食べたくなってくる!



池袋駅前の喧騒を離れた場所
季節の食材を取り入れた鰻コースを味わう『雨ニモマケズ』

池袋駅前の喧騒から少し離れた場所に、接待や大切な会食でも重宝しそうな落ち着いた空間で鰻が楽しめる店がある。

『雨ニモマケズ』は、木のぬくもりを感じる温かなカウンター席や掘りごたつ、テーブル席など様々なシチュエーションにも使える席が用意されている。



季節の食材を使った八寸

同店では、季節によって旬の食材を取り入れ、コース仕立てで鰻を味わうことができるのだ。

鰻を楽しむ前の八寸は美しく籠に盛られて提供される。車海老や蛸の煮物、お麩に雲丹、鯖寿司など酒好きにはたまらないラインナップ。



カリッと仕上げられた「蒲焼き」

鰻は、白焼きと蒲焼きから好きな方を選べるスタイル。この日は蒲焼きをいただいた。

皮がカリっと焼かれて、身はふんわり。さすがの仕上がり!



「鰻の小鍋」

カウンター奥の土鍋では、鰻の小鍋がぐつぐつ。

ふんわり仕上げられた鰻に、九条葱や厚揚が入っていて透き通るお出汁が体に沁みる一品。



〆の「鰻丼」は女性にも嬉しいサイズ感

〆にちょうどいいサイズの鰻丼は、ほどよくタレがかかっていて、おいしい。

池袋と聞くと若者のイメージがあるが、少し駅から離れるとこんなにもゆったりとくつろげる場所があるのだ。

日常を忘れて美味しい鰻を堪能していただきたい。




清潔感溢れるカウンター
新ジャンル鰻フレンチ割烹をカウンターで堪能『うなぎ時任』

店主の時任氏は、創業200年以上続く鰻の名店「麻布野田岩」で15年間修行した後、日本文化を超えてパリでヨーロッパの食や文化を学び、2018年6月に同店をオープンさせた。



カウンターからは店主のパフォーマンスも見どころ

麻布十番商店街のにぎやかな通りを1本奥に入った場所に、ひっそり佇む同店。

2階へ上がると洗練された清潔感溢れるカウンター。目の前では、店主が鰻を捌く様子や串打ち、焼いていくパフォーマンスも楽しめる。



「鰻のブルスケッタ」

お料理は鰻と季節の食材を取り入れた、おまかせコース1本。今までの鰻料理のイメージを覆す斬新な料理の数々が次々と登場する。

まずは、「鰻のブルスケッタ」。バケットの上には鰻の蒲焼、それを手でつまんでパクっと口へ。ワインとも相性抜群の逸品だ。



濃厚なスープの中に鰻や鱧、帆立が隠れている

続くのは、鱧とホタテ一緒に、鰻の蒲焼が入っているという驚きの「鰻のブイヤベース」やキャビアが添えられた「鰻の白焼き」など店主の独創的なアイデアが光る。



皮はぱりっと、身はしっとりした白焼き



「鰻の赤ワイン煮込み」

まるでフレンチのメイン料理のような「鰻の赤ワイン煮込み」。

赤ワインのエキスを吸った鰻の上には濃厚なフォアグラを乗せて。ナイフとフォークで楽しむ鰻料理だ。



〆にはもちろん「うな重」を。できあがってから少し蒸らすことで、ふわふわ感がさらに増すのだ。

目の前には砂時計がセットされ、期待感が膨らむ。完成したうな重は、高級感あるタレに山椒をお好みでかけて堪能しよう。

鰻のことをすべて知り尽くした時任氏だからこそできる、これまでの鰻のイメージに囚われない斬新な鰻料理の数々。

日本の貴重な鰻文化を守りつつも新しい手法を取り入れ、これまでにない鰻を楽しませてくれるだろう。


ふわっふわでタレが染みてて絶品だ!



鰻重 ふわりと柔らかい身と、炭火の香ばしい風味、受け継がれるタレの深みが渾然一体となった一杯。
150年以上継ぎ足された秘伝のタレ 『うなぎ 色川』

味の決め手は1861年の創業以来、150年以上の長きに亘り、継ぎ足し守られるタレ。

途方もない数の蒲焼を潜らせることで生まれた馴れと深みのあるタレが、店主自らが厳選し、熟練の技で焼き上げる柔らかな身を際立たせる。

だが「うなぎは難しいね。毎日新しい気持ちで焼いているよ」と、この道40年以上の六代目・色川正則氏は話す。

店前には開店前から長い行列ができるのが常。うなぎ激戦区の雄たる至高の鰻重は、そんな誇り高き職人の研鑽の賜物でもある。




これぞ東京の風情が漂う、鰻の名店『八ツ目や にしむら』

目黒不動尊の商店街に、知る人ぞ知る鰻の名店がある。それが昭和35年の開業以来、ファンに愛され続けて行列が絶えない『八ツ目や にしむら』だ。

店頭で鰻を焼き続けているため、香ばしい煙も良いごちそうになり、ついつい足が向いてしまう。

近隣の芸能人や、わざわざ来る食通も通う「教えたくない」名店なのだ。



鰻重定食(お新香、肝吸い付き)中は2800円、上は3200円、中串を2枚使う両面蒲焼(もしくは白焼と蒲焼一枚ずつをのせられる)特上4800円

お待ちかねの「鰻重」は、蒸しあげた鰻を、創業当時から受け継ぐ、関東らしいキリッと醤油が効いた秘伝のたれと、備長炭で焼き上げる。

鰻重定食はお新香、肝吸い付き。2800円~という日常使いできる嬉しい価格設定も、大将の心意気だ。




うなぎ
文化人に愛された銀座の名店 『竹葉亭 銀座店』

今年で創業147年目を迎える『竹葉亭』。背開きにし、蒸してからふっくら焼き上げる江戸前のうなぎは、夏目漱石の名著にも登場。

齋藤茂吉の大好物としても知られ、息子・茂太の結納の席で、嫁のぶんまで平らげてしまったというエピソードも。美食家で知られる映画監督・小津安二郎も愛したという老舗の名店だ。

100年以上もつけ足しているという醤油とみりんのみで作る秘伝タレが格別の味わいの「うなぎ重」。柔らかさは他店と比較しても群を抜く。忙しい合間も完食できる量の丼もうれしい。


土用の丑の日は、やっぱり鰻が食べたい!



上うな重
注文を受けてから生け簀のうなぎをさばく『西麻布 いちのや』

『西麻布 いちのや』では、注文を受けてから、うなぎを生け簀から取り出し調理を始める。ゆえに出てくるまでに50分と待ち時間は長いが、一品料理やお酒を嗜みつつ、その間の時間も味わおう。

こだわりは焼く前にしっかりと蒸すこと。これによって、他にはないふっくらとしたうな重に仕上げることができる。

本店は江戸時代創業の川越の老舗。その創業以来つぎ足している秘伝のタレが自慢。

フワフワかつパリッとした焼き目が特徴の店だ。ゆったりと贅沢な時間を楽しみたい。




「鰻重」(昼は3,700円または4,600円。夜はおまかせコース10,000円と12,000円のなかの一品)
最高級品と名高い幻のうなぎが食べられる 『松川』

創業44年の老舗鰻屋。ここでは幻のうなぎと言われ、国内でもっとも仕入値の高い、静岡・大井川の“共水マルトク鰻”を使用している。

2017年7月に同じ恵比寿内の新たな店舗へ移転し、夜はおまかせコース(10,000円or12,000円)で絶品の鰻を味わえる。




「皮パリッ!中フワッ」蒸さずに直焼きした
『ひょうたん屋 六丁目店』の「鰻丼」

銀座『ひょうたん屋 六丁目店』の鰻は、「蒸さずに直焼き」だ。関東の鰻に慣れ親しんでいると「蒸さないと硬いのでは?」と思うかもしれないが、その日その時期に一番柔らかい鰻を仕入れているので心配ご無用。

蒸さないことにより身が脂をしっかりと湛えていて、その結果焼き上がりの香ばしさがより高まっている。身の弾力、皮目のパリッと感の歯応えも楽しく、滲み出る甘い脂は、直焼きならでは。焼くのはもちろん炭で。食欲をそそる風味は、やはり炭火ならではのもの。

そして、丼のもうひとつの重要な要素であるご飯には、年間契約している新潟県中魚沼群津南町の農家から直送されるコシヒカリを使用。これを昔ながらの釜で炊いている。

2017年7月に同じ恵比寿内の新たな店舗へ移転し、夜はおまかせコース(10,000円or12,000円)で絶品の鰻を味わえる。