柯セン耀さん=本人のフェイスブックから

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(台北 12日 中央社)交換留学生として9月から中国の武漢大に通うことが決まっていた台湾人男性、柯セン耀さんが、中国のネットユーザーに「日本びいき」「台湾独立派」などとレッテルを貼られて物議をかもし、最終的に留学を取りやめることになった。(セン=竹かんむりに全)

柯さんは今年、国立台湾師範大の体育学修士課程を修了。母校と武漢大との提携による研究生(大学院生)交換プロジェクトに参加し、両大の審査を経て9月2日から来年1月11日まで武漢大で学ぶことになっていた。

ところが中国のネットユーザーが、柯さんがこれまでに自身のフェイスブックで、日本が台湾を併合するのを希望するように受け取れるコメントを発信したり、来年1月の総統選で蔡英文総統を支持する意向を表明していたことなどを発見。11日に中国版ツイッター、微博(ウェイボー)に「武漢大が日本びいきの台湾独立派を連れてくる」と投稿し、留学生としてふさわしくないと指摘して同大に「慎重な考慮」を求めた。この投稿は複数の中国メディアに取り上げられた。

これを受けて武漢大は12日、同大のウェイボーに、調査の上規定に基づいて処置するとのコメントを発表。同時に、「同大は中華人民共和国教育部直属校であり、一つの中国原則を認める全ての台湾同胞を歓迎する」との一文を添えた。

柯さんは同日、武漢大への留学を断念。これについて師範大側は、本人の意向を尊重するとしている。

(楊昇儒/編集:塚越西穂)