中国メディアは、NBAのドラフトで一巡目で指名された八村塁選手の存在は「中国男子バスケットボールのアジア覇主としての地位を危うくする」と警戒心を示す記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 プロバスケットボールの世界最高峰であるNBAのドラフトで21日(現地時間20日)、日本の八村塁選手がワシントン・ウィザーズから1巡目全体9位指名を受けた。八村選手の指名は日本にとって非常に嬉しいニュースだったが、中国メディアの捜狐は21日、八村選手の存在は「中国男子バスケットボールのアジア覇主としての地位を危うくする」と警戒心を示す記事を掲載した。

 2月26日発表のFIBAランキングによると、1位米国、30位中国、32位韓国、そして、日本は48位となっている。しかし記事は、八村選手の才能とリーダーシップは日本が2019年ワールドカップの本選出場を果たしたことにおいて「はっきり証明されている」と説明した。

 たとえば、ワールドカップ地区予選でオーストラリアやイランなどの強豪チームと対戦した際、八村選手が「極めて大きな統治力」を発揮し、4試合平均21.5得点6リバウンドを叩き出したうえに、強豪オーストラリアにアジアで初の黒星をつけさせる立役者となったと紹介した。

 オーストラリアの世界ランキングは11位であり、ランキングから言えば日本が敵う相手ではなさそうだ。しかし、日本国内では「八村選手とニック・ファジーカス選手の合流が日本チームに大金星をもたらした」という分析もあり、事実、八村選手はオーストラリア戦で最初の10分間で13得点を挙げてチームを引っ張った。

 記事は、八村選手が今年のファイナルMVPに選ばれたカワイ・レナード選手の若い頃に似ていると評されている点にも触れ、「八村選手が日本バスケットボールの才能と進歩を象徴する選手であることは明らか」と説明、そして、八村選手の存在は中国男子バスケットボールのアジア覇主としての地位を危うくするだろうと予測した。

 また、現在のNBAに中国人選手は1人もいないのに対し、日本は渡邊雄太選手と八村選手の2人のNBAプレーヤーを擁していると指摘し、こうした点もアジア覇主と自負する中国の立場を危うくするものと感じたのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)