1万円台で買えるスマートディスプレイ「Google Nest Hub」を紹介!

既報通り、グーグル(以下、Google Japan)は5日、都内にて「新ハードウェア製品記者発表会」を開催し、Googleアシスタントを搭載したスマートディスプレイ「Google Nest Hub」を6月12日に税抜14,000円(税込15,120円)で発売すると発表した。

主な仕様としてタッチ操作に対応した約7.0インチWSVGA(1024×600ドット)液晶ディスプレイ、IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠(2.4および5GHz)の無線LAN(Wi-Fi)、Bluetooth 5.0、フルレンジスピーカー、内蔵マイク2マイク配列、Chromecast Built-inなどだ。

カラーバリエーションはSandおよびAqua、Chalk、Charcoalの4色。なお、バッテリーは非搭載であるため専用の電源アダプターが必要となる。販路は公式Webショップ「Google ストア」のほか、量販店やECサイトの各所となっている。

Google Nest Hubの「スマートスピーカー」+「ディスプレイ」という構成の製品はすでにAmazonの「Echo Show」や「Echo Spot」、LINEの「Clova Desk」などが発売されており、日本では本製品が最後発となるわけだが、今回はそんなGoogle Nest Hubの機能や利用シーンなどを写真と動画で紹介していく。


スマートスピーカーは検索機能やニュースの音声再生、音楽再生などをスマートフォンやリモコンなどを触らずに音声で操作できるデバイスである。音声を認識して返答するという仕組みから当初、一部では「AIスピーカー」と呼ぶこともあったが、スピーカー自体がAI(人工知能)を搭載しているわけではないので、現在ではスマートスピーカーという名前に落ち着いたという経緯がある。

しかしながら「スマートフォン(スマホ)でできることをわざわざ、スピーカーにしなくても……」と、スマートスピーカーに対する期待度はあまり良いとは言えない。またスマートスピーカーに対してこちらから何かアクションを取らないと、何もアクションを起こさないため、使い方に合致しない場合には飽きるのも早いのではないかと感じる。


これは製品の役割をAIアシスタントをメインにしたためになかなか生活に溶け込むことができなかったのではないかと思う。高音質が売りのBluetoothスピーカーや通常のスピーカーがメインで、AIアシスタント“も”付いているというスタンスなら理解しやすかったのではないだろうか。語弊があったかも知れないが、「AI(付き)スピーカー」は実にキャッチーなネーミングだったように思う。

通常はスマホの音声再生用のスピーカーであったり、携帯ゲーム機を大きな音で遊ぶためのデバイスで、さまざまな機能を音声コントロールで切り替えたり、こうしたデバイスを接続していないときでも、ストリーミングの音楽の再生ができたりするなら便利なスピーカーと認知されたかと思う。

なお、オーディオよりのスマートスピーカーは、Wi-Fi機能を搭載したストリーミング再生に対応したスピーカーが製品化されている。また日本では未発売だがAppleのAIアシスタント「Siri」を搭載した「HomePod」も良い音で音楽を聴くことを目指した製品である。

では、画面が付いたスマートディスプレイはどうだろうか。


スマートスピーカーとの違いは“向き合い方”だ。音声でコントロールするスマートスピーカーは何もしなければ音も出ない、こちらから能動的に扱う必要がある。

一方のスマートディスプレイは、待機中に時計や天気などを表示する。基本的には置き時計としての利用だが、スマートスピーカーよりは実用的で環境に馴染むのではないだろうか。


この環境に馴染むということに関して、Google Nest Hubはさらにひと工夫が加えられている。環境光に合わせて画面の明るさを変更する「環境光EQ」を搭載し、昼間の明るさだけではなく就寝時の暗さに対応し、画面の明るさが気にならないようコントロールする。

なお、環境光EQのセンサーは、画面上部中央に環境光センサーを搭載している。こうした気配りの元で動作するGoogle Nest Hubは、スマートスピーカーでは足りなかった関連情報などを7インチディスプレイに文字や写真で表示して補完するのだ。


例えば、今日の天気を訊いた場合、スマートスピーカーのように音声で天気を読み上げるほか、画面には天気アイコンや温度が表示された後、時間ごとの変化を表示する。しばらくすると画面下に「明日は?」、「週末は?」というサジェスチョンが表示され、続けて「OKグーグル、明日は?」と訊くための“気づき”を与えてくれる。

このサジェスチョンを直接タップして、情報を引き出すことも可能だ。こうした機能はスマホのGoogleアシスタントでも利用可能であり、Google Nest Hubのための特別な機能ではないのだが、スマートスピーカーよりは意思の疎通がしやすいと感じるのではないだろうか。


家電連携機能も音声だけではなく画面をタッチして操作可能である。照明の明るさを変更した際に好みの明るさにならなかった場合は、画面に表示されるコントローラーを操作して好みの明るさにすることができる。

また呼び出すきっかけも音声だけではなく、画面を上から下へスワイプすることで連携しているデバイスを呼び出して操作可能だ。寝室のライトも状態を確認して明るさやオン・オフができる。

こうした操作は専用のアプリが入った個人のスマホで行うことが多いが、リビングに置いたGoogle Nest Hubで家族の誰もが操作できるという点がまさに「Hub(ハブ)」たる所以である。


スマートスピーカーとスマホの良いところを合わせたGoogle Nest Hubは、さらにGoogleアシスタントの「ルーティン」も利用可能だ。

ルーティンとは「おはよう」などのキーワードをもとに、スケジュールや今日のニュースの再生(コンテンツによっては音声だけではなく動画を再生する)、家電のコントロールなどを行う機能である。

家を出るとき・帰ったときに、ルーティンを登録しておけば家電のコントロールが行えるのも便利だ。

さらに、話す人の声を認識するボイスマッチ機能を搭載しているので、話している人に合わせたルーティンを実行可能だ(最大6人まで登録可能)。

ただし、個人のスマホに関する操作(マナーモードのオン・オフなど)は、Google Nest Hubからは行えないので、そこは個別にスマホで操作もしくは、スマホのGoogleアシスタントのルーティン機能を利用する必要がある。

【Google Nest Hubの発表会・製品デモンストレーションの動画】

動画リンク:https://youtu.be/SGo9O7WIAvE


冒頭でスマートスピーカーは、AIアシスタントに軸足を置いたことで能動的に使うデバイスになってしまっていることが、理解されにくい部分であると指摘した。それはGoogle Nest Hubも根本は同じなのだが、画面が付いたことで時刻の確認やフォトフレーム(Googleフォトや専用のアートフォトを表示)としての利用で”置物感”は軽減されている。


そして、アシスタント機能は音声だけではなく文字や動画も確認できるので、調理の際のレシピ確認を音声だけで行えるなど、利用シーンだけではなく利用する人の幅が広がったように思う。

ただし、防水ではないことと、バッテリー非搭載であるため、水場での利用は少し考慮する必要がある。とはいえ、15,120円で家族みんなが使えるアシスタント機能を持つ据え置き端末が買えると思えば、安いのではないだろうか。

Google Nest Hub Chalk(チョーク)
価格:15120円(税込、送料無料) (2019/6/19時点)

楽天で購入



記事執筆:mi2_303


■関連リンク
・エスマックス(S-MAX)
・エスマックス(S-MAX) smaxjp on Twitter
・S-MAX - Facebookページ
・Google Nest Hub 関連記事一覧 - S-MAX