レシピ動画 コンテンツで勝負する、英・リキュールブランド:短尺・小規模で継続的にリーチ
ディアジオ(Diageo)が抱えるベイリーズ(Baileys)は、これまでの真面目なブランドというイメージから離れようとしている。彼らは、ツイステッド(Twisted)のような、食べ物にフォーカスしたパブリッシャーたちを見習って、より簡潔なソーシャルメディア広告に注力しようとしているのだ。ブランド刷新を開始して18カ月目になるベイリーズだが、その成果はすでに世に出されている。より短い動画広告、インスタグラム(Instagram)やFacebook上での小規模なキャンペーン群が、ヨーロッパにおけるマーケティングにおいて中心的な戦略ポイントとなっている。ほかのアルコールブランドはソーシャル上においてカクテルレシピ動画やライフスタイル関連の投稿にフォーカスを据えているが、ベイリーズのアプローチにはおつまみ・お菓子も含まれる。彼らの広告はどちらかと言うと、BuzzFeedのテイスティ(Tasty)が投稿するシンプルなフード関連の動画のほうが類似性が高い。
さまざまなテストを実施
パブリッシャーたちと合わせて、人気バーテンダーといったインフルエンサーたちともベイリーズはコラボレーションを行っている。彼らと協力して、より短い投稿を開発しているのだ。ユニリーバ(Unilever)やケロッグ(Kellogg's)といった消費財企業の広告主たちと同様に、インフルエンサーたちに課す目標はリーチだけに縛らないよう、ほかの代替案をベイリーズも探っている。
「我々のメッセージを伝えるには、10秒から20秒以上は必要ない」と、ベイリーズの欧州マーケティング・ディレクターであるアン・ノスコ氏は言う。
ジャングル・クリエーションズ(Jungle Creations)やテイストメイド(Tastemade)といった、フード関連にフォーカスするパブリッシャーともパートナー関係を結んでいる。何度も見たくなり、ほかの人々にシェアをしたくなるような中毒性の高い動画を作るための秘密をノスコ氏のチームは学んでいる。フィード上で動画を偶然見つけたユーザたちが、結果的にベイリーズを飲みたいとは思えなかったとしても、ソーシャルメディア上でのフード動画を無視するのは難しいと、ノスコ氏は言う。
投稿されるコンテンツの数は上下すると、ノスコ氏は説明する。年間を通じてどの月か、どんなパートナーシップを結んでいるか、によって変化するとのことだ。
「異なるコンテンツの制作方法、レシピをテストし続けることが現時点での計画だ。それがレシピ動画であれ、デザートに添えられるベイリーズの静止画像であれ、だ。ABテストという点では、日中の異なる時間帯においてユーザたちがどのようなコンテンツを見たいと思うかなど、我々ができることはたくさんある」。
イベントでデータも収集
ベイリーズが今後、カルチャー分野にブレンドしようとすることで、変化が生まれてくるだろう。それはインターネットかもしれないし、フードや文学関連かもしれない。結果的には、ベイリーズにとって適切なカルチャー的現象を捉えるためのファーストパーティデータを増やすことにフォーカスが置かれることになる。ベイリーズが主催するイベントを増やしている理由のひとつはそれだ。昨年クリスマスに行われた、ベイリーズ・トリートバー(Baileys Treat Bar)に訪れた客たちは、今後の特典情報やニュース、イベント情報を受け取るために、eメール情報を提供した。ディアジオは昨年はじめて、体験部門責任者を雇い、ファンたちに何らかの形の体験を提供するイベントを作り、同時にビジネスにとって重要なデータ収集も行う、という業務を構築しようとしている。
「我々がすでに抱えているファーストパーティデータの量は大きい。そして、それをどのように活用するかという点では、まだ氷山の一角しか見えていない。もちろん、それらのデータはデータ管理プラットフォーム(DMP)に入れられているし、それに対してプログラマティック広告も購入している」と、ノスコ氏は語った。「しかし、活用方法としては、まだはじまりに過ぎない」。
Seb Joseph(原文 / 訳:塚本 紺)
