ほかにもホースの形のキーホルダーやホースが浮き出すクリアファイルなど、ゴムホースという地味すぎる素材なのに、どこか魅力を感じるグッズばかりです。

ともかく、みなさん強烈の個性と愛情を持った人ばかり。アンコウ同様、「マニアフェスタに捨てるとこ無し」状態です。

囲碁マニアの関翔一さんは、白と黒の碁石で描いたミッシェル・ガン・エレファントのアルバムジャケットや「大迫半端ないって!」を披露。本職は囲碁講師というだけあって、白黒が互角になるように気を遣って石を並べているのだとか。

シャッターマニアのシャッター写真家さんは、そこに漂う寂寥感も含めて景色を切り取ります。

コンドーム自販機マニアの「ニッチな終末」さんは、自販機型のキーホルダーをコンドーム(500円)より高い700円で販売。明太子マニアの田口めんたいこさんは、飲食禁止という完全アウェイ状態で奮闘。

『いかレスラー』『地球防衛未亡人』などでカルト的人気を誇る「バカ映画の巨匠」河崎実マニアとして出展しているのは、ご本人の河崎実監督自身。「自分が自分のマニア」という禁断の愛の表現です。

主催団体の「別視点」は、もともと珍スポットを巡っていたのですが、珍スポットの中心にはマニアがおり、そのマニアの脳内が現実世界に具現化されたのが珍スポットなのだ、ということに気づきます。

そして、マニアが一同に会するサミットとして開催されたのが、マニアフェスタ。マニアがマニアを呼んで、規模はどんどん拡大中。今後も年2回のペースで開催していくそう。しかし、規模の大きさは問題ではない、とスタッフの斎藤さんは言います。

「メディアに注目され商業ベースに乗りやすいマニアもいれば、そうでないマニアもいますが、どのマニアも等しくすばらしい。

大事なのは知識の量ではなく愛。同じものが対象でもひとりひとり視点が違うから、みんなオンリーワンの違うジャンルになります。『自分などまだまだ』という人もいますが、言い切ってしまえばマニアです」

マニアフェスタの目的は、さまざまなジャンルのマニアに触れた人が触発されて、普段なにげなく見ていた日常の景色からたくさんの気づきを得られるようになること。「そのためにも、まだまだ埋もれているマニアを発掘していきたい」と斎藤さん。次回のマニアフェスタにはどんなマニアが登場するのか、本当に楽しみです。

(山根大地/イベニア)