大阪で開いた原子力産業の合同企業説明会

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 原子力産業を支える人材の確保が窮地に陥ろうとしている。国内の原子力発電所の新増設が止まる中、政府や企業は海外への輸出に活路を見いだそうとしてきたが、計画は相次ぎ凍結。原発事業の先行きが見通せない中、原子力関連産業を志望する学生数は減ったまま回復の気配はなく、人材の確保や技能承継に影響がでかねない。

 この10年間、原子力関連学科の入学者数は10年の317人をピークに300―250人の間を維持する。10年以降緩やかな下降傾向にあるが、福島第一原発事故後、原子力関連学科以外の参加者が極端に減った日本原子力産業協会の就職セミナーほどではない。課題は学内での教員と学生のミスマッチだ。教員は新しい原子炉の開発に取り組む研究者が多いものの、肝心の学生にとっては就職後に新型炉の仕事はほぼない状況にある。

 文部科学省の新型炉・原子力人材育成担当の奥野真研究開発戦略官は、「新型炉の研究よりも、環境負荷低減や核融合を志望する学生が増えた。最先端で研究をしてきた教員ほど悩みが深く、海外からの留学生に頼って研究室を運営している」と明かす。

 文科省は短期的には福島第一原発や通常炉の廃炉の研究開発に大きな行政資源を割きつつ、長期的に新型炉や廃炉を支える技術と人材の基盤を支援する方針だ。

 これまでは国が原子力政策をたて、電力会社が投資計画をつくり、メーカーが施設を納めてきた。新型炉を研究する東京工業大学の小原徹教授は、「原子力政策は軽水炉と高速炉の一本道で来た。大学の教員構成も軽水炉を作るための配置だった」と振り返る。

 福島第一原発事故後、これらの前提が揺らぐ。研究室と現場をつないできた日本原子力研究開発機構や企業の研究部門も、次に何を目指すべきか見通せなくなった。大学の研究者にとっては、新しいコンセプトが求められる段階にあるといえる。原子炉の本質を追究して既定路線にとらわれずに、あるべき姿を描く。小原教授は「研究者本来の役割が求められる」という。

 一方、新設と廃炉では求められる技術が変わる。新設は材料や装置など技術全体を俯瞰(ふかん)してシステムを構築していくが、廃炉は成熟した技術でコストを抑えて解体するため、最先端の研究が必ずしも求められていない。小原教授は、「まずは現場の求める課題に、要素技術で応えていく」と説明する。

 福島第一原発の廃炉で技術課題に対応する中で、通常炉の廃炉の課題も整理されてきた。奥野戦略官は、「新設と廃炉は考え方を切り替える必要がある。英国ではそれぞれの研究者が半数ずつでチームを組み、変化に対応した。日本もこの転換期を超えていきたい」と力を込める。