保育所の選考「数秒」、取引に不利な文言を指摘…AI活躍の伸びしろ
快適“つながる家”
2030年度に国内で2兆円規模とされるAIビジネスは、住宅や不動産でも導入が進む。膨大なデータ収集と高度な解析が可能となり、新たなサービスを形にする下地が整ったためだ。住宅では家電や住設機器、太陽光発電のネットワーク化などに加え、家事の効率化や防犯といった優位性を訴求。再開発を手がける不動産大手も、街の魅力を高める付加価値としてAIの利活用を思い描く。
全国約60カ所の住宅展示場で提案し、分譲住宅では18年12月時点で約80戸に搭載した。注文住宅への採用も伸びる。目立つのは、共働き世帯の母親を中心とした利用だ。「食事を用意しながら、話しかけるだけで他の作業まで終わるのは助かる」と好評だ。さらに、「外出先や天候に応じ、服装を選んでくれるような機能もほしい」と更なる機能向上の要望も寄せられている。
マンション管理での試みも進む。大京は20年3月完成のマンションで、居住者の問い合わせにAIが音声で回答する仕組みを導入する。共用部の電子掲示板に「AI管理員」を搭載。管理人の不在時や勤務時間外でも、暮らしに関する質問や届け出に対応する体制を整える。人間による常駐や巡回だけでなく、マンションごとに最適な管理形態を模索する。
一方、三菱地所と綜合警備保障は、カメラ映像をAIで解析することで「困っている人」を検知する実証実験を行った。体調を崩して座り込む人や、道に迷って周囲を見渡している人などを自動で検知し、解析結果を巡回中の警備員に伝える。目視頼みだった見回りにAIの分析を加えることで、きめ細かい“おもてなし”の提供へとつなげる。
がん早期発見・治療
医療の現場でもAIは活躍する。CT(コンピューター断層撮影装置)などの画像診断装置で撮影した患者の画像データを分析し、医師の診断支援に役立て、病気の早期発見・早期治療に結びつけようとしている。
例えば米グーグル傘下の英ディープマインドは、医師と同等の診断能力を持つ眼疾患診断AIを開発中だ。米フェイスブックはAIでMRI(磁気共鳴断層撮影装置)スキャンを最大10倍速くする取り組みを始めた。中国のアリババグループは、AIでCT画像から子宮頸(けい)がんと肺がんを早期発見しようとしている。
