【30日発効】TPP11は保護主義の対抗軸になるか
年内発効の意義は大きい。日本以外は関税引き下げの基準点を年初とするため、19年1月1日から2年目の税率に入り、品目によっては約1年、自由化が早まることになる。
製造業ではベトナム、マレーシアでの事業拡大を期待する声が多い。例えばベトナムとの間では既に経済連携協定(EPA)が発効しているが自動車の関税は残っており、TPP11で初めて撤廃される(10年目以降順次)。メーカーは関税撤廃に向け、「じっくりと戦略を立てることができる」(渡邊頼純慶応義塾大学教授)。
またTPP11は、関税引き下げにとどまらない高度な多国間ルールも特徴だ。知的財産保護、技術移転要求の防止、データの自由な越境移転などを促すルールは公正な商取引を可能にし、国を越えた投資を後押しする。
多国間で合意した高度なルールを基に貿易自由化を促す仕組みは、自国第一の保護主義とは対極にある。19年は米国と中国の対立激化などで自由貿易への逆風がさらに強まるのは必至。同年1月にも始まる日米物品貿易協定(TAG)交渉で米国から為替条項や自動車の数量規制などを迫られる可能性がある。
日本はTPP11を通商交渉の上限であると強く訴えるほか、TPPに参加の用意があるタイや英国、台湾などへと陣容を広げることで対米交渉力を強化することが期待される。
