【オートパイロットシステム】本格的な導入に向けての課題とは

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様々な最先端テクノロジーが研究・開発され続けている中で、注目され続けているのが「オートパイロットシステム(自動運転)」である。

そこで本記事では、オートパイロットシステムが導入されることによって生活にもたらすメリットと、本格的な導入に向けての課題についてお伝えする。

オートパイロットシステムは安全性を向上させる

オートパイロットシステムが様々なモビリティで導入されている背景には、人員の不足や、人間の認知ミスによる事故が多発していることにある。

自動運転車業界において、オートパイロットシステムといえば「テスラモーターズ」は有名だろう。テスラの工場で生産される最新の車両には、8台のカメラが搭載されており、それらが360度を見渡し、最長250mまでを視認する。

また、12個の超音波センサーがカメラでの視認を補完し、豪雨、霧、塵などの環境条件下でも、問題なく見通すことができるという。

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テスラ曰く、これまでのデータによると、オートパイロットを正しく使用した場合、運転支援システムを使用していない場合と比べ、“安全性”が向上することが示されているようだ。

最終的に“完全自動運転”が実現すると、テスラの自動運転は人間の運転よりも大幅に安全になるだろうと予測されている。

オートパイロット技術の開発が進むに連れ、完全自動運転に近づくより高度な機能が、徐々に利用可能となるが、テスラは「本当の“ドライバーレスカー”が開発され、認可されるまでは、ドライバーが常に車両をコントロールし、その責任を負う」とも発表している。

全自動=完璧な安全とは言えない?その課題とは

夢のような「全自動運転」だが、実現に至るにはいくつか課題が残されている。例えば、イレギュラーな状況や、悪条件下での走行の安全性である。

それぞれでテスト走行・運行が行われているが、人間が運転していれば防げるような事故が発生している。また、自動運転技術に対するドライバーの過信や、緊急時の対応が十分に訓練されていなかったことにより起きてしまった事故もある。

今後はAIやビックデータを活用して自動運転技術の精度を上げていくとともに、技術に対し人間がどう関わるのかについても、議論していく必要がある。

また、万一事故が起こった際の責任は誰に問われるのかも、気になるところだろう。現在一般車の自動運転機能は、運転をアシストする程度のものが主流であるが、今後技術の向上とともに、自動運転のレベルが高まる。

すると、運転に関してドライバーの関与が少なくなり、ドライバーによる過失とは言いにくくなるため、現在国土交通省では「自動運転における自動車損害賠償保障法の損害賠償責任の課題」として、責任の所在について話し合いを進めている。

 

様々なモビリティで実用化が目指されているが、技術面での課題を乗り超えた先には、「人々の受容」という壁が待ち受けるのではないか……と編集部は考える。

安全性について人々が納得し、各国の法整備がなされる必要があり、また、ドライバーやパイロットにはこれまでとの仕事の違いに納得されなくてはならない。

機械が人々の仕事を奪っているのではなく、それ以上の価値をドライバーやパイロットに提供するということが示されれば、この壁は乗り越えられるのかも知れない。

【参考・画像】

※ テスラジャパン

※ 自動運転における損害賠償責任に関する研究会 - 国土交通省

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