事業承継進まず廃業の危機、東京・多摩地区はどう脱するか
東京都が町田商工会議所に設置した多摩ビジネスサポートセンター(東京都町田市、042・732・3920)は、小規模事業者の事業承継や事業継続、経営課題などを支援する。特に相談業務に力を入れ専門家による無料相談が充実する。第三者を介さない親族内承継や役員・従業員の事業承継の支援を想定する。
事業譲渡やM&A(合併・買収)など、事業者単独では解決できないM&Aや事業譲渡に関する相談は、経済産業省が設置した東京都多摩地域事業引継ぎ支援センター(東京都立川市、042・595・9510)が受け皿になる。
引継ぎ支援センターは専門家などと連携し、利害関係のない第三者として事業活動の継続に課題や悩みを抱えている中小企業を、ほかに意欲のある企業に引き継ぐ橋渡し役になる。2017年11月の設置から18年6月末までに約60件の相談を受け付け、相談件数も増えている。
専門スタッフによる問題解決に向けた相談対応やアドバイス、民間のマッチングサービスや金融機関と連携する。さらに、全国の引継ぎ支援センターとのネットワークを生かし、全国のデータベースから条件にあった企業情報とのマッチングを図る。各種相談は無料で、外部専門家の派遣や業務の依頼などの場合は費用が発生する。
同様の引継ぎ支援センターは、産業競争力強化法に基づき国が全国47都道府県に設置している。多摩地区では一つの地域で他県と同規模の製造品出荷額や企業数を誇り、都内では東京商工会議所の東京都事業引継ぎ支援センター(同千代田区、03・3283・7555)に続き2カ所目。引継ぎ支援センターの小島清統括責任者は「廃業により取引企業はさまざまな影響を受ける。承継者がいなければ企業のM&A先を一緒になって探す」と寄り添う姿勢だ。
東京都商工会連合会は15年、小規模事業者の経営支援を目的に「多摩・島しょ経営支援拠点」(同立川市、042・540・0130)を設置した。18年4月には、産業サポートスクエア・TAMA(同昭島市)に事務所を新たに開設し、支援拠点の人員を増やした。地域の実情に即した事業承継や事業継続に関する支援施策を強化する。都商工連の小野孝泰企業支援課長は「創業者のほとんどが事業承継は初めての経験。長期的なスパンでの支援が必要」と話す。
東京都商工会連合会専務理事・伝田純氏 配偶者の理解で円滑に
東京都商工会連合会が東京・多摩地区に多摩・島しょ経営支援拠点を構え3年目を迎えた。都商工連の伝田純専務理事に、これまでの事業承継の取り組みと支援機関として今後のあり方を聞いた。
―3年目で見えてきた課題は。
