TVアニメ「はたらく細胞」の「がん細胞」回、癌研究者が絶賛「研究者目線でも、とても正確」

体内細胞を擬人化したTVアニメ「はたらく細胞」の第7話「がん細胞」が18日から順次放送されている。放送を見た癌研究者の大須賀覚氏は、Twitterで「がん細胞」の内容について解説。「とても正確な内容だったと思います」と称賛している。
第7話「がん細胞」は、一般細胞に化けていたがん細胞が正体を表し、白血球(好中球)やキラーT細胞、NK細胞たち免疫細胞と戦う回。がん細胞がどのように発生・増殖するのか、どのような体の働きで排除できているのかを、がん細胞側の心情も描写するなどわかりやすく描いている。米エモリー大学ウィンシップ癌研究所に所属している大須賀氏は、この「がん細胞」回についてTwitterで言及。「がんの初期発生を免疫細胞がいかに防いでいるか」について、「癌研究者目線でも、とても正確な内容だったと思います」と称賛した。
アニメ内で赤血球が大量の栄養をがん細胞に届ける描写があったことについて、大須賀氏は「癌細胞は体の栄養を大量に消費します。何もしていないのに急激に5〜10kgも体重減少したときには、医師は癌を疑って精密検査を行ったりします」と解説。高齢者にがんが多いことについては、「正常細胞にコピーミスが起こり癌細胞ができる頻度が大幅に上昇することと、あそこに登場していたたくさんの免疫細胞の能力が大きく落ちてしまい、癌細胞を発見して排除することができなくなるために起こると考えられています」と説明している。
大須賀氏は、「表面だけ知ろうとせずに、詳しいメカニズムに目を向けることは大事で、それは医療情報デマに騙されることも減らせるし、医師患者間のコミュニケーションレベルも上げられる」として、わかりやすく学べる「はたらく細胞」の視聴を勧めている。
#はたらく細胞 第7話「がん細胞」を超真面目に解説。今回の話しは、がんの初期発生を免疫細胞がいかに防いでいるかの話しでした。癌研究者目線でも、とても正確な内容だったと思います。皆さんの体の中で、あの騒ぎが毎日何百回も起こっていると考えられていて、そのおかげで癌は滅多に起こりません。
— 大須賀 覚 (@SatoruO) 2018年8月18日
高齢者になると癌になる頻度が何千倍も上がるのは、正常細胞にコピーミスが起こり癌細胞ができる頻度が大幅に上昇することと、あそこに登場していたたくさんの免疫細胞の能力が大きく落ちてしまい、癌細胞を発見して排除することができなくなるために起こると考えられています。
— 大須賀 覚 (@SatoruO) 2018年8月18日
癌ができると栄養を大量に使うという話しがあったと思います。癌細胞は体の栄養を大量に消費します。何もしていないのに急激に5~10kgも体重減少したときには、医師は癌を疑って精密検査を行ったりします。痩せたら必ず癌ということではないですが、癌を疑う症状です。漫画で見ると覚えやすいですね。
— 大須賀 覚 (@SatoruO) 2018年8月18日
#はたらく細胞 はとてもオススメです。事実に正確ですし、とても面白くできています。子供が人体のことや病気のことを勉強するにも、大人が勉強するにもとても良いと思います。生物の教科書では覚えられませんが、これなら覚えられますね。アニメか漫画をぜひ見て下さい。https://t.co/qT5xVl3KKl
— 大須賀 覚 (@SatoruO) 2018年8月19日
本当にこのアニメはありがたいです。癌を詳しく知る良い機会になるし、病気を科学的に捉えるくせもできると思います。表面だけ知ろうとせずに、詳しいメカニズムに目を向けることは大事で、それは医療情報デマに騙されることも減らせるし、医師患者間のコミュニケーションレベルも上げられると思います
— 大須賀 覚 (@SatoruO) 2018年8月19日