カブス・ダルビッシュ有【写真:Getty Images】

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ダルビッシュが厳しい現実に直面、復帰へ未だ暗雲「神のみぞ知る」

 右上腕三頭筋腱炎で今季2回目の故障者リスト(DL)に入っているカブスダルビッシュ有投手が27日(日本時間28日)、苦悩を吐露した。この日はキャッチボールなどで調整したが、練習後に「やばいでしょ。察してください」と語り、復帰時期について「神のみぞ知るというところ」と話した。

 今季は開幕7試合目まで白星なしに終わり、5月上旬には体調不良でDL入り。すぐに復帰したものの、同20日(同21日)のレッズ戦で今季初勝利を挙げた直後の同27日(同28日)に右上腕三頭筋の炎症で再びDL入りすることが発表された。その後、1Aで負傷後初の実戦となるリハビリ登板に臨み、5回3安打1失点5奪三振無四球と好投。ジョー・マドン監督は28日(同29日)のブルペン入りでメジャー復帰を判断する方針を示していたが、本人はその前日のキャッチボールで厳しい現状に直面することになった。

 練習後、キャッチボールについて聞かれたダルビッシュは「やばいでしょ。察してください」と語り、翌日に控えたブルペン入りについて「無理でしょ、あれを見ていたら」と話した。「いつも言ってるけど急によくなったり、急に張ったりというのがある。できる限り治療とか全部やってちゃんとブルペン投げられたらと思ってます」と最後まであきらめない姿勢を見せつつも、「先のこと? まったくわからない」と、今後の復帰時期についても言葉を濁した。

状態上向かず、「なかなか自分の体がいい返事をくれない」

 周囲も懸命にサポートしているが、思うように状態が回復していない様子で、「残念? 残念というか、もちろん投げるつもりでいますよ。だけど、ここまでいろんなことをトレーナーの人もしてくれてるし、みんなが助けてくれようとしてくれている中でなかなか自分の体がいい返事をくれないというか。そういう状況が続いている。うれしくはない。仕方がない」と苦悩を吐露。「単純にキャッチボールができてない。左のほうが明らかに球が速いんで」と話し、「同じ場所が痛いっていうのはトミー・ジョン(手術)の直前もあったけど、あの時は痛くても投げられてた。投げるとけっこう大丈夫だった。ちょっとタイプが違うのかな」とも明かした。

 それでも前を向いて取り組んでいるという右腕。「はやる気持ちを抑えるのは難しい? 難しいですよ、自分は投げたいし、明らかに昔の自分だったら早々にノーっていってるようなところをぎりぎりまで粘ろうとしている自分を見てもまだ私情が入ってるんだろうなと感じている部分もある」と語る一方、「最短での復帰? まったくわからない。明日かもしれないし、5年後かもしれないし、わからない。神のみぞ知るというところで」と話した。

 カブスは26日(同27日)時点でナ・リーグ中地区でブルワーズに次いで2位。ワイルドカードではプレーオフ圏内につけている。ダルビッシュは早い段階で復帰し、チームを後押しすることができるか。完全復活が待たれるところだ。(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)