太陽の塔は1970年に開催された大阪万博が終了した後、長らく一般公開されていませんでした。2003年になって33年ぶりに内部が公開されたものの、消防法などの関係で1階部分しか立ち入れず、上層階へは上がれないまま。しかしその後耐震補強工事など改修を重ね、ついに2018年3月19日(月)より上層部を含めた内部公開が開始されます。内部の様子はどうなっているのか見に行って来ました。

「太陽の塔」公式サイト(大阪府日本万国博覧会記念公園事務所)

http://taiyounotou-expo70.jp/

太陽の塔には4つの顔があります。上部には金色に輝き未来を象徴する「黄金の顔」、胴体部の正面にある顔は現在を象徴する「太陽の顔」。



背面には過去を象徴する「黒い太陽」があります。



太陽の塔の背後では2018年3月18日に行われる式典の準備がすすんでいました。48年ぶりの内部公開とのこと。



塔の後ろ側にあるスロープで地下に下ります。



入り口。



入ってすぐに受付があります。右側の通路から太陽の塔へ。入場料は大人700円、小中学生300円です。また、この入場料の他に万博記念公園への入場料が別途大人250円、小中学生70円が必要です。



通路にはラフスケッチが展示されています。太陽の塔のコンセプトが固まるまでにどのような軌跡をたどったのかが確認できます。



通路を抜けると太陽の塔の第4の顔である「地底の太陽」が展示されている「プロローグ空間」へ。



地底の太陽は長らく行方がわからなくなっており、再現での展示です。



地底の太陽以外には万博の地下展示「いのり」の展示品が配置されています。「当時の世界観を感じて欲しい」とのこと。



仮面や……



神像



奥にある大きな像は「クアトリケの神像」という名前が付けられているとのこと。



「岡本太郎がはじめてデッサンした地底の太陽」も展示されていました。



エレベーターも用意されており、予約すれば歩行が困難な人でも1階・中層階・最上階のフロアからの鑑賞が可能です。



地底の太陽の展示を抜けると太陽の塔を貫く「生命の樹」の根元に出てきます。



らせん状に配置された通路を上りながら生命の樹を鑑賞していきます。1階から最上階までの高さは約41mとのこと。なお、万博当時はエスカレーターが設置されていましたが、現在は階段となっています。



単細胞生物から人類が誕生するまでの代表的な生物の模型が展示されています。万博当時は292体の生物模型がありましたが、今回復元・再現したのは183体とのこと。



一番下の「原生類時代」にはベンモウ虫や海ユリ、ポリプなどが展示されています。



これはアメーバでしょうか。



階段を登ると「三葉虫時代」に入り、三葉虫やクラゲ、太陽虫などの展示に。周囲の色は赤を基調としながらさまざまに移り変わっています。



下を見てみるとこんな感じ。



音楽も合わさって「生命」を感じさせてくれる展示です。





「三葉虫時代」に登場する生物の名前が載っているプレート。



生命の樹の根元の直径は1mとのこと。



示準化石として有名なアンモナイトを初めとした貝類の展示。







だんだん魚類の影が見え始めます。



「魚類時代」に入りました。







上を見ると恐竜が現れます。頂上も見えてきました。



下を見るとこれまで生命がたどってきた進化の足跡を一望できます。



そして横には両生類。



この翼竜はプテラノドンでしょうか。











哺乳類らしき動物の骨。



奥にも恐竜がいます。



上を見るとついにゴリラなど見覚えのある動物が登場。右にはマンモスもいます。



よく見るとゴリラは頭が骨になってしまっています。これは万博以降半世紀ものあいだ放置されており、ゴリラの頭部が劣化して脱落してしまったため。「生命の樹がたどった半世紀という時間の厚みをとどめるため、あえて修復していません」とのことでした。



マンモス。



これはテナガザルでしょうか。



チンパンジーもいます。



手前でこん棒を振り上げているのが人類の祖先であるクロマニョン人で、奥に複数配置されているのがネアンデルタール人とのこと。かつてはネアンデルタール人も人類の祖先であると考えられてきましたが、現在では2006年に発表されたスヴァンテ・ペーボなどによるゲノム配列解析結果によって別の種であったと考えられています。



下をみると根元は遠く、長い歴史を感じさせます。



そして上は未来へと続いていくような表現となっています。



最上階へくると、目の前に謎のトンネルが伸びているのを発見。何かというと、実は「太陽の塔」左腕の内部。



反対側には右腕。



万博当時、右腕にはエスカレーターが設置されており、「大屋根」の展示へとつながっていたとのこと。



当時の案内板も残されています。



また、最上階には「演出スコア」の展示があります。太陽の塔内部の総合演出の考え方を1枚にまとめた検討資料とのこと。



降りる時は別の通路を使用します。





途中に展示があります。これは太陽の塔の制作者である岡本太郎の「芸術は呪術である」という言葉。



「“いのち”の塔」という展示。「〜テーマ性はこうしてつくられた〜」という副題が付いています。



「芸術としての展示」



そして「再生の軌跡」



原生類の展示されていた場所へ戻ってきました。



通路を抜けて外へ。



お土産屋さんもあります。お土産を買うだけなら予約や入場料は不要とのこと。



iPhoneケースや……



フィギュア



フィギュアには塔内限定のブロンズ彩色のものもありました。



「太陽の塔内部再生」事業寄付者の名前プレート。



プレートに入りきらなかった寄付者を検索できるサービスもありました。



太陽の塔は予約制となっており、予約は4か月先まで専用ページにて行うことができます。2018年3月17日現在では5月以降の平日であれば空きがあるようでした。

・つづき

なお、音楽などの演出も含めて味わえるムービーをまとめた記事も同時に公開しています。

48年ぶり公開「太陽の塔」内部を撮影したムービーまとめ - GIGAZINE