2017年リリースされたNew Balance初のスケートビデオ『Tricolor』でラストを飾り、久々のフルパートを披露したPJ・ラッド。そんな彼が大々的にフィーチャーされた2002年の作品『PJ Ladd's "Wonderful, Horrible, Life』を紹介したい。

このビデオがリリースされた当時のスケートシーンは、ビッグトリック全盛期。どのビデオもこぞってトリックの大きさ(ステアの大きさやハンドレールの段数など)を競っていたが、このビデオのリリースがスケートボードトリックの魅せ方を変える一つのきっかけとなった。

なぜなら、当時無名に近かった一人のスケーターが見たこともない複雑なトリックを連発し、その話題は瞬く間に拡散。単なるローカルショップのビデオに過ぎなかった作品が世界中に流通し、一躍トップスケーターの仲間入りを果たしたのだ。これぞ正真正銘のアメリカンドリームである。

PJの影響力は今も絶大で、特に90年代のストリートカルチャー全盛期にスケートボードに出会った30代のスケーターにファンが多い。今ではテクニカルなスケーターも増えたが、その本家は彼と言っても過言ではない。ぜひ『Tricolor』とセットでご覧いただきたい。