セメント大手、値上げに動き出す
セメント製造の燃料となる石炭価格は今年、前年に比べて1トン当たり約20ドル上昇した。17年4―9月期連結決算では営業利益ベースで20億円の減益要因となった。18年も10ドル近く上昇する可能性が高いという。
石炭価格だけでなく、主要な製造設備であるキルン(回転窯)内部に用いる耐火れんがの価格も、中国での鉱山停止の影響を受けて急騰。さらに物流費や労務費の上昇もコストの増加要因となっている。
セメント協会によると17年度上期(4―9月)のセメント国内販売量は前年同期比3・3%増の2071万4000トンと上期としては4年ぶりに増加した。
同社は11年から1トン当たり1000円の値上げを進めてきたが、十分に浸透していなかった。直近では生コンクリート業界でも値上げを打ち出しており、値上げが受け入れられやすい環境が整ったと判断した。年明け以降、生コンクリート業者など需要家との交渉に入る。
セメント価格を巡っては、従来から住友大阪セメントも値上げを表明している。セメント事業の利益は、原燃料として石炭灰や建設発生土などをリサイクルすることでまかなっている部分が大きい。
関根福一社長は「セメントを販売して利益が残らないのは(事業継続のためにも)現実的ではない」として、年度末にかけて価格上昇の機運を醸成していく考え。三菱マテリアルも「値上げを検討せざるを得ない時期」(同社)との認識を示す。
(文=齋藤正人)
