まさに西武遊撃手の救世主 源田が56年ぶりの新人フルイニング出場を達成
1961年の徳武氏以来の快挙、10三塁打は新人歴代3位タイ&85得点は2位
2012年オフに中島(現オリックス)が米球界挑戦のために退団して以降、埼玉西武にとって遊撃手のレギュラー選手の固定は急務となっていた。そこに2017年、一人の救世主が現れた。それが源田であった。
新人ながら開幕スタメンを勝ち取ると、以降は遊撃のポジションが源田の定位置となっていった。そして、迎えた今季最終戦。源田は史上二人目の新人での盗塁王と1961年の徳武定之氏(国鉄)以来の56年ぶりとなる新人でのフルイニング出場の可能性を残しながら、プレーボールを迎えた。
北海道日本ハムに3点を先制されて迎えた1回裏の第1打席。無死二塁の好機で、先発・吉田の144キロの内角の直球を捉えると、打球は右中間を真っ二つに破る適時三塁打。パ・リーグ新人記録3位タイとなる10本目の三塁打となった。
また、続く秋山の打席間に本塁へ生還。これで今季85得点目を挙げ、パ・リーグ新人歴代2位の得点数となった。初回だけで源田は歴代の偉大なる選手たちの記録を上回ったのだ。
試合は互いに点を取り合う展開となり、序盤終了時点でのスコアは4-5。1点ビハインドで迎えた第2打席。カウント1-1からの136キロのフォークを引っ掛けると、一塁手正面へのゴロに。第2打席は内野ゴロに倒れてしまう。第3打席は初球に外角の直球を見逃すと、2球目も外角の変化球に手が出ず。あっという間にカウント0-2と追い込まれる。カウント2-2となって迎えた7球目。ここまで外寄りの配球が続いていたため、外角の球に意識があったのか、内角低めの直球を空振り。なかなか出塁できず、試合は折り返しを迎えた。
盗塁王はならずも、日ハム西川に2個差の「37」を記録
そして、今季最終打席となった第4打席。初球、2球目と外角へ逃げるボール球のスライダーを見送ると、続くスライダーをファウル、4球目を見送ってカウントは2-2に。ここまですべてスライダーを投じてきた北海道日本ハム・公文だったが、5球目は内角ギリギリへの直球。何とかファウルで逃れたが、続く直球は外角いっぱいへ。これには手が出ず、第4打席は見逃し三振に倒れた。2打席連続でバッテリーの勝ちとなった。
試合は6回表の北海道日本ハム・大田の2ランが決勝点となり、6-8で埼玉西武が敗戦。源田は4打数1安打1打点で、盗塁は無く、惜しくも盗塁王のタイトル獲得はならなかった。しかし、1位・西川に2個差まで迫る37盗塁は、新人としては偉大な記録であり、今後待ち構えるポストシーズンでも持ち前の機動力でチームに貢献することが求められるだろう。
そして、この試合も源田はフル出場を果たしたため、56年ぶりとなる新人選手のシーズンフルイニング出場を達成した。持ち前の能力の高さだけでなく、怪我をしない体づくり、メンテナンスをし続けた結果であると言える。
様々な新人記録のランキング上位にその名を刻んだ源田。まさに記録尽くしの一年となった。しかし、プロ野球界には2年目のジンクスという言葉がある通り、翌年以降も容易に活躍できる世界ではない。来季以降、さらに進化した源田が埼玉西武の遊撃手として定着できるかどうかは今後の成長にかかっている。(「パ・リーグ インサイト」編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)