痛風と言えば、悪者の一番手に挙げられるプリン体だが、実は生物のすべての細胞が持っているものだ。痛風学会では、プリン体の1日の摂取量は400㎎を超えないことを勧めている。しかし昨今は、肉や魚をじっくりと煮込んだラーメン物が流行しており、1杯分で200mgに達してしまう場合もあるので、気を付けたいところだ。

 また、1日のカロリーが2000キロカロリーだった人は、1800キロカロリーに抑える努力をすること。酒量を減らし、高プリン体の食べ物をなるべく摂らないように普段から意識することが重要だ。
 「尿酸値が一定以上高ければ、無症状であっても積極的に尿酸値を下げる治療を行うべき、という流れも出てきています。現在は男性も女性も尿酸値が“7”を超えたらリスクが高くなるとされていますが、女性はもともと男性より尿酸値が2くらい低いため、実際は“5”を超えたら注意が必要。また女性の場合も、男性に比べて尿酸値が高いと心血管疾患になりやすいという研究もあるので、気を付けましょう」(専門医)

 確かに、プリン体は痛風持ちの人にとって鬼門かもしれない。しかし、実はそれよりも悪いのは、お酒の飲み過ぎだ。
 「アルコールは肝臓で尿酸を作るのを促進するだけでなく、分解する時に作られるアセトアルデヒドが尿酸の排泄を妨げるし、利尿作用で脱水を起こしやすくなる。そのため、プリン体よりもむしろ酒量を抑えることの方が大事だという医師は多い。ともあれ、尿酸値も心血管疾患も、リスクを下げるには、飲酒を含めた生活習慣を改善することが重要ということです」(健康ライター)
 それが難しいという人は、早めに尿酸を下げる治療を検討した方がいいかもしれない。あの痛みに覚えがある人は、特に注意が必要だ。